18歳お見合い法

山野 碧

第1話 18歳お見合い法

20XX年、政府は未婚・少子化対策の為、新たな法律を制定させた。

それは、18歳になる年=高校3年になったら強制的に全寮制になり、夜は男子の部屋で過ごさなくてはいけないという法律だ。


特例で交際者は交際者同士の部屋に。

校外に交際者がいる場合は免除される。


* * * * * * * * *


私、深瀬 真美 高校2年。150㎝、よく無愛想で近寄りがたいと言われる。

無愛想ではなく、かなりの人見知りなんですが。

これまで、好きになった人には嫌われるという悲しい人生を歩んできた。涙


周りは高3の寮生活にむけて、相方を作ろうと必死だ。ある程度で手をうっておけば、変なヤツの部屋に行くことはないという考えだろう。


「真美ー!あんたどうするの??相手いなかったらどんな奴に声かけられるかわからないよー!」


声をかけてきたのは親友の大山みどり。

彼女は恋多き女の子で、見た目もオシャレでかわいい子。今は校外に彼氏がいる。


「どーせ、私なんか誰も相手にしないわ。

変なヤツも声なんかかけてきやしないさ」


「そしたら、強制的に誰かの部屋に当てられるよ!!あー怖っ!」


免除だからって余裕ぶっこいてんな、こいつ。意地悪言っちゃお。


「あんたも、別れたら強制的にお見合いだからねー。せいぜい別れないように頑張りなさいー」


「別れないから大丈夫!もし、別れたとしても模試で10位内に入れば女子にも選ぶ権利があたえられるんだから!!」


「はいはい」



そう。この法律には続きがある。

男子に声をかけられたら、女子は断る事はできないのだ。男子は成績優秀者上位の者から順に好きな女子に声をかけて、夜部屋に泊まってもらう。

また、女子も成績優秀者上位10人は断る権利、選ぶ権利が与えられるのだ。


なので、皆いっそう勉学に励む。

少子化対策、学力向上の一石二鳥。

政府の思惑通りだ。


「はいはい。って、私は真美のことを思って言ってるのにー!聞いてるー!?」


みどりとは幼稚園からずっと一緒。私のことを1番理解してくれる大切な親友。気にかけてくれるのは嬉しいけど、私はもう半分諦めてる。本当は恋愛がしたい…でも…

どーせ、好きな人には嫌われるし、それならもう見合いでもいいかなって…。

そう思い始めた高2の3月だった。


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