第12話
ケーキを食べ終えて町をすこしみてから建物に戻り夕食を食べた。
結局追放者の役職はわからなかった。
部屋に戻りいつもみたいに過ごし、紅音たちと部屋で食堂に呼ばれるまで遊んだ。
食堂に呼ばれ、ホットミルクかと思ったら今日はココアだった。毎日ホットミルクだと飽きるので丁度よかった。でもやっぱり飲むと眠くなるのは変わらなかった。
そしていつものように寝た。
起きて目を開けると朝日は見えなかったがまだ寝ている男子たちが見えた。カーテンを開けると外はまだ暗かった。布団に戻り寝ようとすると隣の部屋の扉が開く音がした。そして廊下を歩く音が聞こえた。
足音は誰のものかは知らないがどこかで聞いたことのある足音だった。
足音は男子部屋の前で止まり、扉を開いた。そして布団の間をそっと歩き、誰かを捜していた。そして気が変わったように扉を閉め帰って行った。そして建物から出て行った。ほっとして目を開けるとゲームマスターがいてにっこりと笑っていた。
「君はなぜ起きているのかな?おとなしく寝てくださいね。」
と、言われ首に何かを差され気を失ってしまった。と、言うより寝てしまった。
目が覚めると今度は朝だった。皆起きていて朝食へ行ってしまった。樹希と廊下へ出ると水咲がいた。
「紅音、知らない?朝からいないの。」
「き、きっとトイレにでもいるんだよ。」
そうと信じたいのは僕のほうだけど。
水咲と一緒に食堂へ行き急いで朝食を食べ外へ出ると、放送が鳴った。
<―追放者を発表します。大野紅音。人狼に食べられた人の場所を発表します。噴水広場の近くの空き家です。皆さん移動してください。>
「あ、紅音なの・・・!」
そんなまさか紅音が・・・
「移動しないと。噴水広場へ行こう。」
「どうして樹希はそんな風にいられるわけ?!紅音が死んじゃったんだよ?!」
「僕だって悲しいよ!でもどんなに悲しんでも紅音が帰ってこないと思ったら紅音の分まで生きてやろうと思った!紅音の分まで生き残ってやろうよ!紅音のためにも!」
水咲は泣きながら頷き噴水広場の空き家へと向かった。
空き家は屋根の木材が崩れ落ちていて少し危なかった。
中に入るとすぐ凜々花ちゃんともう一人の犠牲者、亮君がいた。両方とも屋根の木材に刺されて死んでいた。
「凜々花ちゃんと亮君なのね。」
「凜々花ちゃんが狂人で亮君が霊能者。」
凜々花ちゃんが狂人だから二人も死んじゃったんだ。
僕らは凜々花ちゃんと亮君の死よりも紅音がいないことのほうが大きかった。
僕らは3人で建物へ帰った。
いつも4人でいたので一人減って寂しくなってしまった。
〔紅音、凜々花、亮、死亡 残り人数54名〕
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます