このまま

Ria

1

このまま、抱きしめていてほしい。




ずっと離さないで、強く閉じこめて。




欲しがっても、欲張っても、受け止めてくれる?




「……幸哉(ユキヤ)、」




名前を呼ぶだけでも鼓動が激しくなって、声が甘くかすれる。




恋をしているのだと、この声を聞いた誰もがわかるほどに。

















―ピピピピ…ピピピピ…





遠くで鳴るアラームに目を開けると、レースのカーテンを透かした陽射しが部屋をやわらかく照らしていた。




あぁ、また夢をみていたんだ。




夢でよかったと安堵する自分もいれば、夢で残念だったと落胆する自分もいて、どっちに落ちつくべきかわからないので、忘れたふりをしてベッドから降りた。




わたしは最近、毎日こんな夢をみている。




彼がわたしの前に現れたあの日から、ずっと。

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