アムール~愛は甘くない~

永久 夏波

第1話下り坂のラブハート

なんでこうなるのかな?

好きになってはいけない人にほれてしまった。

彼は駆け出しのギターリスト、正式に婚約も決まっている。

アラサー向かえて落ちつ?いた恋をしたいと思っていたけど

まるで沼地をさ迷うようにズブズブと歩きたくもない道を歩くはめになる。

「早坂さん、きいてる?」

行けない、ボーとしてた。

「すいません。どうするんでしたっけ?」

机の上には缶詰めの山

「この缶を箱からばらして標示シールを貼って、梱包、わかった?」

「ハイわかりました。」

今日準に出荷を控えている商品が壁のようにある。

ボーとしてる場合じゃないし

忘れなきゃ…………優しい笑顔とタコのできた手のかんかく……

やらなきゃ。

「仕事を分担します。」

暇そうにまつ人々に声をかけた。

重い缶詰めと共に胸の重みも流してしまおう。


仕事のお昼休み

返事はないとわかっていてもついLINEを見てしまう。

ユウマのLINEを開く

既読にもなっていない

収録にアルバムいそがしいんだろうな…………

ニュースには秋元マヤ、ギターリストと婚約の文字の下にユウマとならぶ女優がいる

カバンに携帯放り込んでタバコに火を付ける

もう忘れなきゃ

『サチといると癒される。』

ユウマの甘い声と優しいぬくもり…………もうないんだよね。

潤むような瞳

整った顔

細くて体……

私は勝てない……

妊娠したら、ユウマは私を選んでくれるんだろうか?


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