設定資料集/5:登場銃器紹介(機関銃編)

/機関銃


・デーウー K3

 韓国・大字(デーウー)精密工業製の軽機関銃。開発はベルギーの名門FNハースタル社に依頼され、同社のベストセラー軽機関銃ミニミM249を元に設計された。その為か、全体的なシルエットもミニミに近しい印象を受ける。

 安価で性能も悪くなく、韓国軍に全面採用されている他、各国への輸出も活発。導入当初はFNハースタルが製造した製品を韓国軍が輸入している形ではあったが、現在では完全に国内生産体制が整えられている。

 セレクタは無く、フルオートでの掃射のみが可能。ベルトリンクで繋いだNATO規格5.56mm×45の小口径・高速ライフル弾カートリッジを使用。また本家ミニミと同様にM16用のSTANAG規格弾倉を緊急時に差し込んで使う機能も盛り込まれている。韓国軍の正式採用自動ライフル・K1(フルサイズ)、及びカービン・モデルのK2は双方ともにSTANAG規格の弾倉を使用する為、K3機関銃との弾薬共有も楽々といった具合だ。


 ※補足:大字精密工業を抱えていた韓国の大財閥・大字財閥が1999年に破綻したことに伴い、現在デーウーという銃器メーカーそのものは存在しない。現代に於けるK3機関銃やK1カービンなどの製造元を正確に記せば"S&Tモーティヴ"社ではあるが、作中では分かりやすさと字面を重視し、敢えてデーウー製と書かせて頂いた。


 作中ではウォードッグが使用。二度のカーチェイスでハリーと和葉を追い詰めた。


・サコー M60E6

 米国製の優れた汎用機関銃。嘗てのナチス政権時代、ヨーロッパ戦線で米軍と熾烈な戦いを繰り広げたドイツ国防軍の配備していた名機関銃・MG42などを参考にしつつ、'50年代後半に生み出された傑作機関銃だ。

 ベトナム戦争時代を代表するといっても過言ではない機関銃で、映画への露出度も高い。かの有名なジョン・ランボーが片腕で撃ちまくるのも、このM60汎用機関銃だ。

 そしてM60は"汎用"機関銃の名に違わず、様々な用途に用いることが出来た。生身の歩兵が携行するのは勿論、三脚に載せて固定機関銃、UH-1"ヒューイ"汎用ヘリコプターの脇に取り付けてドアガンナーをやってみたりだとか、ジープや戦車の上に搭載して旋回機銃の役割も可能だった。

 とはいえ、古さも目立つM60は現在の米軍では流石に一線を退いている。米軍内ではFNハースタル製の"MAG"汎用機関銃……の米軍仕様であるM240に完全に置き換えられているものの、しかし諸外国では未だに現役な所も多い。


 登場したE6モデルは本家サコー社のGM買収後、USオードナンス社により信頼性向上の為の更なる強化改修が行われた最新モデルだ。しかもE6モデルは意外や意外、デンマーク軍での正式採用が決定されたとのこと。形はどうあれ、一時代を築いた名機関銃はもう暫くの間、時代の中に生き続けるということのようだ。


 作中では二度目のカーチェイスの際、アウディ・S4の後部座席に乗せておいた物をウォードッグが使用。強力な7.62mm×51ライフル弾でハリーのインプレッサの防弾装甲すらをも突き破り、燃料タンクを破り燃料漏れを起こさせることで、彼のインプレッサに致命的な一撃を与えた。


・IWI ネゲヴNG7-SF

 イスラエルのIWI社(イスラエル・ウェポン・インダストリィ。旧IMI=イスラエル・ミリタリー・インダストリィ社)の開発した軽機関銃、それがこのネゲヴ軽機関銃だ。

 ネゲヴ自体は小口径の5.56mm×45弾を使う軽機関銃で、そもそもは配備されていたガリルARM(ガリル自動ライフルの簡易軽機関銃モデル)を置き換える為に造られた物だった。肉抜きの折り畳み式銃床や各部の軽量化が徹底されている為に扱いやすく、しかもFNハースタルのミニミM249と同じくベルトリンク給弾の他、ガリル用の弾倉も差し込めると使い勝手も良い。

 また作中に登場したNG7モデルは、このネゲヴ軽機関銃の用いるカートリッジを、より強力な大口径の7.62mm×51弾へと変更した物だ。ベルトリンクのみが使用可能で弾倉を使うことは不可能になってしまったが、それでも軽量にして使い勝手の良い機関銃であることには変わりない。ちなみに通常ネゲヴ同様に存在するSFモデルの為に銃身は短く、閉所で取り回しやすいようにハンドガードの下側へフォアグリップが装備されている。


 作中ではハリーの事務所を襲撃する際、ウォードッグが使用した。グレネード弾の六連射の後にネゲヴNG7-SFを使った機銃掃射で、ハリーの事務所をズタボロに破壊する。その後にガレージから飛び出してきたハリーのインプレッサに轢かれ、壊れてしまう。

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