第65話 薬への抵抗……。

今日の朝も目覚まし時計の音で目が覚めた。

正直、夢見が最悪で夜中に何度も起きてしまった。

急激に気温が上昇した影響からか、毛布が暑く寝苦しくて

こんな時期に金縛りにまであってしまった。

夢の中では、首をつられた状態で宙に浮いてさ迷うと言う

酷い夢を見てしまった。


精神状態が悪いのも影響しているのだろう。

渋々、仕事に行く準備をして会社に向かう。

今日は、一人勤務の予定だったので気が楽だと思って

事務所の前に立つと、扉の下から光が漏れている。

事務所に入ると、お休みの予定だった上司の存在が……。


何で居るんだよっ!

予想外の出来事で、イラッとしてしまった。

人間と関わるのが最小限で済むと思っていたのになんという

裏切りだろうか?

こんな事なら昨日、処方された初めての薬を飲めば良かったと

激しく後悔。


が、仕事をしていくうちに、その薬を飲んだとして正常に

仕事がこなせるのか? っと言う疑問が出てきた。

過去に飲んだ事のある薬なら、こんな感じと分かるが……。

初めて飲む薬は、飲んで仕事がこなせるのかが分からない。

薬を飲んで、その影響で仕事をミスしましたは絶対に通用しない。


結局、次の休みに薬を飲んで、どうなるのかを体感してからで

無ければ、仕事前に薬を飲むと言う事は出来ない。


と、同時に人間の中で仕事をする苦痛には今まで通り、耐えなければ

ならない。


人間と関わらなければ、薬も飲まなくて良いのに……。

人間と関わらないといけないから、薬が必要。

この悪循環から、抜け出すことが出来ない。

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