第60話 バレンタインデー……。

今日の朝も目覚まし時計の音で目が覚めた。

今日も仕事かと思うと、とても憂鬱だが無断欠勤をする訳にも

いかず、渋々、会社へ行く準備をして会社に向かう。

朝は冷えるが、日中は暖かくなるらしい……。

そろそろ、花粉症の季節かと思うと、そこも憂鬱だ。


会社へ行き、仕事をこなしていると女性社員がバレンタインデーの

お菓子の詰め合わせみたいなものを持ってきた。

持ってきてくれて初めて、今日がバレンタインデーだった事に

気づくと言う残念さ……。

生きるのに必死で、そこまで気が回っていなかった。


バレンタインデーは、私にとっては縁が無いイベントであろう。


仕事が終わる頃、私が明日、お休みだと言う事を知った人に

飲みに行きましょうと誘われたが、全力で断った。

ただでさえ、仕事で精神状態がやられていて余裕が無いのに

飲みに行くなんて無理だ。

おまけに、一緒に働いているとは言え、相手は人間。

飲みに行って命を奪われたらと思うと、恐怖で飲みになんて

いけない。


本当は、誘われたら行きたいが、身の危険を感じてまで

行く価値は無い。


人間は怖い。

ただ、それだけ……。

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