第4話「詩」蛆

安らかな寝息を立てる君。

日々大きく成って行く君にとって私など、

その躰に噛み付いて、巣食おうとする悪い蛆。

しかし君は未だ幼いから。

私の様なものを打ち払うのに、血を滲ませる他に術を知らない。

だから私は君に傷を付け、君の躰に巣食うのだ。

厚かましくその事を、

許してくれとは言わない。

解ってくれとも言わない。

遠い将来。

君の脱ぎ去った結婚衣装、その上に死ぬ蠅の事も。


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