破壊神ドカボンの異世界勧誘 − 記録係 : ナナセ
第1話 「破壊神に常識はない」
そこはどこまでも広がる青々とした草原。
「にゃ、ご機嫌いかがですか」
・・・なんだこいつ?
目の前に変なぬいぐるみがいた。
猫のような顔に、虎の尻尾、垂れた犬耳。
いちおう女の子みたいに長い髪を降ろしてる。それは薄茶色。
そして鮫の背ビレに、短い毛で覆われた人の手足。
全体的に白っぽく、模様の所は黒。つまり尻尾はホワイトタイガーだ。
ちなみに着ているのは上着のセーラー服のみ。
「にゃ、うちはドカボン」
ふりふりと手を振ってくる。
あ、俺は
「俺口調は嫌いだ。
僕に変えるでゴンス」
は? なんだよ面倒くせえ
「・・・いつもなら減点だけど、サービス」
とことことぬいぐるみが近くに寄ってくる。
「にゃ」
そして目の前で仁王立つぬいぐるみ。
な、なんだよ
やんのかコラ
何をされるかわからず、それに身構える。
「うちを抱きしめろ」
・・・?
手触りは良さそうだなと思った。
・・・・・・
試しに抱きしめてみる。
「にゃ~」
あ、結構やわらかい
軽く堪能した後で離す。
「にゃ、次からは減点です」
・・・え? 今のが罰だったの!?
「わかりましたか」
とりあえず
「名前は片仮名のヤスヒコでいいですか」
ヤスヒコはこくこく頷いておく。
「にゃ、これがヤスヒコのプレートです。
首にかけて」
どこから取り出したのか、プレートが付いたネックレスを掲げてくる。
それを受け取り、言われた通りにした。
あの、お・・・ぼ、僕は何でここに?
「にゃ、うちが連れてきた」
はいっと手を上げる。
記憶にないんですが
「気持ち良さそうに寝てたから、
ちょっとした
小首を傾げるぬいぐるみ。
魂!? それ大丈夫なの?
「うん、平気」
こともなさげにそう宣う。
えっと、そんなもんなんだ・・・
まあ夢なわけだし
「にゃ、それより異世界に行くよ」
異世界?
「にゃ、剣に魔法、ハーレムでうはうはの世界だぞ」
うおおおお!? マジか!
あれだろ? 異世界転生みたいな
図書館で読んだことあるって!
「それの体験版だな」
いいよ盛り上がってきた!
行こう! はよ行こ!
「にゃ、まだ能力の説明をしてない」
浮き足立つヤスヒコを
僕の力ですね! なんですか!
「無い」
・・・え?
「にゃ、適当に連れてきたってのもあるけど、ヤスヒコ能無し」
うわああああああ!
「嘆くでない。
まだうちから与える加護がある」
よっしゃ!
頼みますドカボン様ぁ!
「まだ無い」
・・・ない?
「にゃ、うちの加護はこの作品が投稿された後、他の神様がコメントやレビューするとそこから生まれるよー」
コメント? レビュー?
「つまり、うちらは他の神様に見られながら行動するのだよ、ヤスヒコ君」
そうなんだドカボンちゃん
正直ヤスヒコはよくわかっていないが、他の神様の働きがけが必要なんだということは理解した。
「なんか読んでる奴に言っておきたいことがあるかい?」
え? えーと、炎の大技とかほしいッス
「まあ見てる神様がいるかもわからないんだけどね」
その場合どうするんだいドカボン
「うーん、観光?」
あ、それでもいいかも
「にゃ、次の投稿は明日か明後日になるぞ。
お返事は明日の18時で締めきりだ」
ドカボンはこっちを向いてそう言った。
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