21話 魔物討伐戦1日目・続


最深部へ到達すると、気温も一気に低下しており、周りの壁はクリスタルで覆われていた。

そして義経は目をキラキラさせながら高価そうな鉱石に目がいくと、いつの間にか用意されたピッケルを手に「金だ、金ー!!」と金の亡者並みに一直線に走って行った。


そんな義経の行動にフレデリックは「そんな安物より、もっと稼げる獲物がこの奥にいるよ。」と、大きな扉を開きながら言った。

義経は鉱石を集めるのをやめ、扉の前まで足を運んだ。

義経は部屋の奥を覗くとそこには、大きな頭が2つに、鋭い爪の先は人の血か獣の血か分からない色で変色しており。

2つの尻尾は硬くて鋭い綺麗なクリスタルが生えている魔物の正体は「このダンジョンではかなりの上位ランク、オルトロスだよ。これから義経くんには、この魔物を倒してもらう。それもコントロールを使った方式でね。」と言った。


「なるほどな。よし、帰るかー。」


義経はそういうと、Uターンし始めてログハウスに帰路するが、突如現れた忌々しい亡霊の壁に帰る術を失った。


「師匠、俺に死ねというのか!?

あんな化物の相手にするとか死にますとか宣言しているもんじゃねか!!」


義経は地面にへばりつくと「せめて遺書だけでも……。」と、また何処から出てきたのか分からない紙とペンを用意し、遺書を書き始めた。


「義経くん、正直にいうとオルトロスを倒せないなら綾燕を倒すことなんて相当不可能な事だよ。今の現状、君はただのひよっこ同然。少しは成長してみたらどうなの?痛いだの苦しいだの、そういうのを乗り越えてこそ、真の英雄ヒーローってものじゃないの。それに君の暗黒物質ダーク・マターは限界突破させる事で更なる力を手に入れられる。それこそ綾燕なんて目じゃないくらいにね。」と言いながら不敵に笑った。


フレデリックの話を聞いた義経は、可能性があると知り、ニッと笑うと「それもそうだな。いつまでもウダウダしてられねえし。そろそろ本気出すとするか。俺の最高の技でな!」と少し痛い事を言いながら刀を鞘から抜き構えた。


オルトロスは義経の気配に気づき、威嚇体制に入ると鋭い爪で義経を狙うが、義経は自分の能力スキルの一つ、超音速スーパー・ソニックを発動し、攻撃を最も簡単に回避した。

そして今度は義経が刀を構え、そして「風神切り!」と、能力スキルを発動する前に、フレデリックが「ストーップ!」と大きな声で止めた。


「し、師匠!?え、俺何かまずいことしたってお前、オルトロス!少しは加減しろよ!!」


急に攻撃をやめた義経対し、オルトロスはなお攻撃し続けながら、それを素早く回避する義経にフレデリックは「何普通に攻撃しようとしてるの。僕言ったよね。能力スキルはコントロールを駆使しながら使えと。一体何を聞いてたの?」と少し苛立ちを見せながら話すフレデリックに、義経は「はい、全力を尽くして頑張ってみようと思います。」と反省するが、フレデリックは義経を睨みながら「全力も何も、誠心誠意やり切れ。」と圧をかけた。


(あれ、師匠ってこんなに厳しくて怖かったっけ……あ、これあれだ魔力の圧もあるな。多分。でも、コントロールってどんな感じでやるんだ?魔力に俺の精神を送るとか?んー試してみるか。)


義経は指先に魔力を集中させ、そしてもう一度、風神切りを発動させた。


「風神切り!」


義経は刀を振り翳すと、風の刃がオルトロスの首を狙うよう定めるが、義経の攻撃は少し位置がズレ、後ろの壁へと逸れた。


「クソッ!あと少しだったのに!」


悔しがる義経にフレデリックは「でも、飲み込みは早いと思うよ。その調子で指先に先程よりも魔力を注ぎ込んで使ってみるといいよ。」とアドバイスをもらうと、義経は俄然やる気が出て、何度も魔力をコントロールする練習をした。



そしてあれから時間もかなり経過しており、お互いに息があがり、かなりの消耗をしている上。集中力も切れ始めそうな時。

義経は最後の一手に出ることにした。


(そろそろ体力の限界も近いし、大分コントロールも上手く扱えるようにもなった。この一手で決着をつけるか。あ、そういえば暗黒物質ダーク・マターってコントロール使わなくても、俺の言葉で操れるじゃん!いや、別に忘れてた訳じゃねえし、これ必殺奥義みたいなやつの見せ所だった訳だし、セーフセーフ。)



義経は1人で何かを言い聞かせながら暗黒物質ダーク・マターを発動させた。

周りに黒い球体が出現すると義経は、意思疎通を図る様に暗黒物質ダーク・マターに指示を出すと、球体は鋭い針状に変化し。

オルトロスに攻撃を開始した。

オルトロスは暗黒物質ダーク・マターを回避するのに精一杯で、義経を相手にするほどの余裕がない程にまで精神が追いやられていた。


義経はニッと笑うと「これで終わりだ、クソ犬がッ!!」となんとも主人公らしからぬセリフを吐き捨てながら「死ねクソボケがッ!」と言いながら上手くコントロールを使いながら風神切りを発動させ、見事にオルトロスの首を2つ切断させた。


オルトロスがドサっと倒れるのを確認する「うっしゃあああああああ!!見たかボケがあああああああ!!これが俺の実力じゃあああああああああああ!!!」と息を切らしながら叫ぶ義経にフレデリックは「お疲れ様。それでステータス画面に何か変化ない?」と訊かれると、義経は「なんか地獄門ヘル・ゲートを習得したのと、1段回目を限界突破しますか?ってある。いや、するに決まってんだろうが!」という義経にフレデリックは安心したのも束の間、義経は「あれ、2段回目もできるんだが。」と言った。

その予想外の言葉に目を丸くするフレデリックは、つい口元が緩み「やっぱり君は凄いや。僕の予想を遥かに超えるんだもん。君ならきっと僕を満足させてくれそうだな。」と嬉しそうに笑った。


「それじゃあ、もう体力も魔力もないだろうし、そろそろログハウスに戻って身体を休ませよう。それと寝る前に、疲れた時にオススメのハーブティー、オレンジピールを淹れてあげるよ。」


ヘトヘトで疲れが溜まっている義経は「ありがとう、師匠……。」と言ったところで、体力が尽きたのかドサッと倒れ込むと、そのままスヤスヤと深い眠りに入ってしまった。

フレデリックは義経を背負うと「少し体力を消耗しすぎたかな。でもまあ、結果的にはいい方向に持って行けたことだし結果オーライってやつだね。それよりも嫌な予感がするんだよね。とりあえず一旦戻ってみるか。」というとフレデリックはログハウスへと瞬間移動テレポートするのであった。


フレデリックたちがログハウスに戻ると、誰かの襲撃にあったのかログハウスはボロボロに破壊され。幾つかのログハウスは煙が上がっていた。


(やっぱり襲撃されてたか。恐らく綾燕の仕業だろ。)


フレデリックは一先ず義経を安全な場所に移動させ、辺りを探索し始めた。

すると他のギルドの者が、フレデリックの所まで助けを求めに来た。

男は肩を押さえながら「お願いだ。仲間を助けてやってくれ……俺ともう1人動ける奴はいるんだが、ちっとも役に立たねえんだ。頼む!」と頭を下げるが。フレデリックの性格上、自分のメリットのない事は絶対にやらない主義の持ち主。

同然フレデリックは「君さあ、助けを求める相手を間違えたね。僕は自分にメリットがない事はやらない主義でね。残念だけど他を当たってくれる。」と優しさのかけらもない事を言った。

男は地面に倒れ込むと「無理な事を言ってすまない。仕方ない俺1人で……。」と男が話していると、音もなく弾が急に飛んできて、男の心臓を綺麗に射抜かれていた。

男はドサッと倒れるとヒューヒュー言いながら息を整えるが。やがて息を途絶えた。

そして甲高い声で笑いながら「あひゃひゃひゃひゃひゃー!オレ様の射的100パーセントオオオオオ!!アヒャヒャヒャヒャヒャヒャー!」とイカれた男が現れた。


「次はお兄さんの番だよおおおおおー!その綺麗な顔をグチャグチャにしてやるよおおおおおお!!お?」


男がそう言いながら攻撃をしようとしたが、既にフレデリックの姿はなく。男は辺りを警戒し始めた。

そしてフレデリックは男の背後をとると「僕を殺そうなんて、運が悪いね。」というと、男の足元に悪霊たちがしがみ付いていた。

男は無数の悪霊たちを追い払うが、触ることも動くこともできずにいた。


「おい!早くこれを何とかしろよ!聞いてんのかコラッ!」


男は威勢よくフレデリックに歯向かうが、フレデリックは呆れた様子で「喧嘩売ってきたくせに負けるなんて無様だな。もう面倒くさいし、そろそろ終わらせようかな。」というとフレデリックは前に召喚したデュラハンを呼び寄せた。

フレデリックはニコッと笑うと「リークくん、仕事だよ。その男の首を斬れ。」と指示を出すと。デュラハンは男の首を掴み、泣き叫ぶ男の声を無視して首をスパッと斬るのであった。


「お疲れ様、リークくん。それじゃあ君には僕の可愛い弟子を運んでもらうよ。手伝ってくれる?」


フレデリックの頼みを聞き入れたデュラハンは、義経の所まで行くと。そのまま優しく義経を抱き抱えた。

そしてフレデリックは気づいていたのか、物陰からこちらを伺う者に対して「いつまで隠れているつもり?いい加減出てきたらどうなの。別に僕は君を殺すメリットなんてないんだからさ。」と言うと恐る恐る現れて出てきたのは、老け顔の少年だった。


「えっと……わ、我も一緒に同行しても良いでござるかな?といより一緒に居させてほしいなり!!」


少年は泣きながらそう言うと、フレデリックは困った様に「いや、僕に言われても困るんだけど。そもそも君を連れて行くと足手まといになるだけ。早く引き返したらどうなの?」と提案するも少年は悲しげな表現で「帰りたいのは山々なんでござるが。来た道が、壁で塞がれて帰れないんでござるよ。それに我は、某の役に立つよ頑張るなり!例えば我は、マッサージが得意なりよ!一度試してみるでござるか?」と言いながらフレデリックの肩を揉み始めようとする。


「え、僕はいいって。」


「そう遠慮なさらずに、我に身を委ねるなりよ。」


「だから別に肩なんて……。」


フレデリックは少年に肩揉みをされ、案の定良かったのか数分だけ夢の中にいた。

そしてハッと我に帰ったフレデリックは「一緒に着いてきても構わないけど、僕は一切助けないからね。」と言った。

少年はニコッと笑うと「それで構わないなりよ!何せ我は隠密の凪亮なぎすけと呼ばれている輩。伊達に14年生きてきた訳じゃないでござるよ。」と自慢げに眼鏡をクイっと上げる仕草にフレデリックはかなり呆れていた。


「そういえば我の自己紹介がまだでござったな。我の名は久遠凪亮くおん なぎすけと申す。来年にはあの有名な冒険者養成学院の特待生を余裕で合格するつもりなり。して、お兄さんの名を聞いても良いでござるか?」


凪亮がそう言うとフレデリックは「僕はただの情報屋のフレデリック。そして今は疲れて眠っているけど、彼も再来年君と同じ高校を受ける後輩。源義経だよ。仲良くしてあげてね。」と自己紹介を終えると、凪亮は少し嬉しそうに「我の後輩、うん。悪くない響きなり。」と自信をつけていた。


そして凪亮は思い出したかの様に、先ほどフレデリックに助けを求めていた男に近寄ると「団長……我だけ身を潜めて助けてあげられなくて、申し訳ないでござる。せめて我だけでも団長を弔うことにするなり。」と団長に触れようとした瞬間。


「勝手に俺を殺すなアホ!」


団長は胸元を押さえながら凪亮を叱ると、凪亮は驚いた顔で「な、なりいいいいいいい!団長が蘇ったなり!え、団長アンデットになってないでござるよな?」と訊くと団長は呆れながら「この最高級の防弾チョッキのおかげで助かったんだよ。」と笑うと「さて、俺はこれから報告と仲間の生存確認をしないといけないが。凪亮はどうするんだ?」と訊いてきた。


「我はフレデリック殿と一緒に同行するなり。」


「そう、僕と一緒に行動……え、馬鹿なの?」


凪亮の選択に思わずツッコんでしまうほど驚くフレデリックに団長は「そうかそうか。凪亮が選んだ選択だ。お前の好きな道を選べ!まあ、何の役にも立たないがな。」と冷静に言った。


凪亮は口を尖らせながら「団長酷いなり!我だってやれば強いでござるよ!それよりも団長は怪我の方は大丈夫なんでござるか?」と心配をした。

団長はニカッと笑うと「敵ももういないみたいだし、少し休めば治るよ。それよりもアンタら暗殺組織アサシンギルドには気をつけろと言いたいが、アンタなら余裕で勝てそうだから心配はいらないな。でもこの先なにがあるか分からないから慎重に行動したほうがいいぜ。」と忠告を受けると、フレデリックは「その時は凪亮くんを囮にするから大丈夫だよ。」と笑いながら答えた。

凪亮も頷きながら「その時は我が命をってなるわけないなりよ!!」と言い返すが、団長も凪亮をからかう様に「役に立って良かったじゃねえか!」と喜ぶも凪亮は「よくないでござるよおおおおお!」と嘆いていたのであった。




*************



繰り広げられる銃声と爆撃の音。

1人の少女。寧々が魔操銃を片手に、男3人を相手に戦闘をしている真っ只中の最中であった。


(このままじゃ拉致が開かない。それよりも早くはぐれた仲間を探さないといけないのに、本当にしつこい連中。)


寧々はポーチから閃光手榴弾を取り出すと、そのままピンを外し男たちに狙いを定め、投げ放った。

すると、強い光と音が鳴り響くと。その刹那に逃げる作戦に出た。


だが、逃げた先に待ち構えていた1人の男に足を止めると。

背後からもう2人の仲間が笑いながら武器を構えていた。


逃げ場の失った寧々は、ポーチから手榴弾を手にするが前の男が「おーっと。やめといた方がいいぜ。何せ、この状況で勝ち目はないんだからさ。まあ、安心しろ。お前みたいな可愛い女は殺さずに俺たちの世話が係として、可愛がってやるからよ。」とニタニタ笑う男たち。

寧々は男たちを睨みながら、グズどもが。と言うと手榴弾のピンを外そうとした瞬間。

背後から激しい爆風の音が鳴り響いた。

男たちは何事だ!と驚くと、煙の中から5人の人影が現れた。


「そこにいるのは誰だ!?」


3人のうち1人の男がそう言うと、煙が消え。

どこかで見覚えのある。

黒いローブを着た若い青年と4人の女の子たちが姿を現した。


「1人の女の子に対して3人でやるのは卑怯じゃないか。なんなら俺がお前たちを相手してやってもいいんだぞ。」


青年はそう言いながら剣を抜くと「3人まとめてかかってこいよ。」と挑発した。

青年の挑発に3人の顔は赤くなり、1人の大男が「お前ら手加減は無用だ!一瞬で殺っちまうぞ!!」と大きな声で言うと、3人は武器を構えながら青年に襲いかかって行った。

だがその刹那。

青年の仲間の1人が煙幕を投げると、視界が悪くなり。

気づけば青年の姿はなく。男たちの背後をとりながら峰打ちで次々と気絶をさせていった。

そして仲良く縄で縛られた3人の男は、起きる気配もなく。そのまま放置をした。


「そこの君。怪我はないか?」


青年がそう訊くと、寧々は「はい。助けてくださって、ありがとうございます。」とお礼をした。

青年はニコッと笑いながら「いや、お礼されるほどでもないよ。それよりも、この戦略の仕方は暗殺組織アサシンギルドで間違えなさそうだな。」と難しい顔をすると、寧々は少し焦った様子で「あの、私はそろそろ仲間を探しに行ってきます。本当に助けて頂いてありがとうございます!」と立ち去ろうとした瞬間。

青年は「1人で行動するのは危険だ。また暗殺組織アサシンギルドがいつ襲ってくるか分からない。俺らも協力するよ。」と言った。


寧々は首を横に振ると「危険すぎます。それにあの綾燕という男は普通じゃありません。それに私は関係のない人たちを巻き込みたくないんです。」と悲しい表情を見せた。

そんな寧々の様子に青年は「もう巻き込まれてるんだよな。それにさ、女の子を1人で行かせるわけにはいかないだろ。」と義経とは違って紳士的な態度を見せる青年に、仲間の1人が「そうそう。みつるは可愛い女の子をほっとけない性格でもあるんだよねー。」と笑いながら言うショートカットの女の子。

他の仲間も頷きながら同意しているみたいであった。


寧々が少し戸惑っていると、突然壁が勢いよく破壊された。

その場にいた皆は、警戒体制に入り。

それぞれ武器を構えていた。


「いやー、流石はフレデリック殿!パワーも凄まじいなりよ!フレデリック殿、カッコいいでござる!ヨッ!イケメン!」


「凪亮くん。あまり煩いと僕の可愛い子たちの餌にしちゃうよ?」


「はい!我は少し黙っているなり!」


そこに現れたのはフレデリックと凪亮とデュラハンと眠りこけている義経がそこにはいた。

その姿を見た寧々はフレデリックたちの名前を呼びながら嬉しそうにフレデリックたちの元へと走って行った。

フレデリックはこちらに向かってくる寧々に「星宮さん、無事だったんだね。1人でいるってことは他の人は綾燕の仲間に連れ去られたって感じかな?」と訊くと、寧々は頷きながら「私も応戦しようと思ったんですけど、桃くんに止められて私だけ身を隠していたんです。でもやっぱり……。」と話しながら言葉を詰まらせていると、フレデリックは寧々を落ち着かせるために頭を撫でると「無理に話さなくていいよ。もう大丈夫、よく頑張ったね。」と安心させるために優しく笑った。


凪亮は自分との扱いの差にフレデリックの態度を見て「フレデリック殿、我と随分と違うなりな。」と言うとフレデリックはクスッと笑いながら「君に優しくするメリットがないからだよ。それより、心強そうな人たちもいるみたいだし。僕はここで単独行動をさせてもらうよ。リークくん、僕の弟子は君に任せたよ。」と言った。

その言葉に凪亮は驚きながら「1人で行動するのは危険ではないでござるか。」と心配をするが、フレデリックは笑いながらこう答えた。


「僕は確かにただの情報屋だよ。けどね、そこらの腕の良い冒険者よりは、かなりの実力なんだよね。だから君に心配されるほど僕は弱い男じゃないよ。」


そんな2人の会話に、1人の男がフレデリックに話をかけた。

「君が少女の仲間なんだな。初めまして俺の名は綾伽充あやとぎ みつるで、そこの4人は俺の仲間のりん夢姫ゆき愛瞳まなみ紫織しおりだ。

そこで提案なんだが、君の仲間が心配している様だから、俺も一緒に同行することにするよ。君もそれで良いだろ?」と凪亮の方を見ると、凪亮は頷きながら、良いでござる!と勝手に決めた。


フレデリックは溜息を吐くと「勝手に決めるのはやめてくれる。それに凪亮は僕の仲間じゃないし、僕1人で十分なんだけど。」と少し機嫌悪く言うと、充はニッと笑みを見せた。


「俺が一緒について行ったら、何か不都合なことでもあるのか?情報屋のフレデリックさんよ。」


充は何かに感づいた様子でフレデリックに話すと、フレデリックは(何か盛大に勘違いしてるみたいだけど、色々と厄介だな。)と呆れつつも「別にやましい事はないし、ついて来ても退屈でつまらないだけだよ。」と充に話した。

充は、それでも構わない。とフレデリックを疑う様子で一緒に行動することになった。

その後、フレデリックと充と鈴と紫織の4人で行動し、残りの人たちは他の仲間を探す班として行動を開始するのであった。

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