ブライド プレパレーション(Bride Preparations)
蒼月狼
花嫁戦記1 輜重隊
夕食のお味
東の夜空を太陽が白く照らし出す数刻前。
駐屯地から前線砦に物資を搬送するため荷馬車十数台からなる
地面が剥き出しとなり踏み固められた道は、深い森に切り開かれて長い時が流れた事を意味していた。
この道の先にあるのは「
一日中、重い荷車を引いた馬達は拘束を解かれ、設けられた餌場で水を飲み、馬草をはむ。
周囲では点々と火が起こされ、隊員達が簡易な夕食を摂り早々と眠りに就こうとしていた。
そんな焚火の一つ。
「力の神」の眷属でありがら、
小さな体躯に犬が直立し様な姿形、
「
アリアは料理を夢中で口に運びながら、「
もう一組の傭兵達と交代で食事を摂った後、アリア達は先に仮眠をとる予定だ。
焚火に照らされた、ふわりとした髪質の赤いショートヘアが彼女を愛らしく見せるとすれば、額の両脇辺りから優美な曲線をもって突き出る「竜角」と呼ばれる外見上の「竜の血筋」を示すの特徴は、「冠」のごとく彼女に威厳と気高さ、気品を与えていた。
「人離れ」している
むしろ
アリア
形の違いは在れど、いづれも比類なき神の加護。
神の眷属で「竜の血筋」と呼ばれる者達は「
特に「力の神」の眷属であり「牙」の加護を受ける
「力」在る事が尊ばれる亜人社会に於いて「竜の血筋」は支配者と同等の意味を持っているのだ。
献身的に働くコーボルト
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