第4話 なじみゆく

 もう、お互いに指の形に合ってしまったね。

 こうして年輪を重ねていくのね。

 あなたと私、なじみゆく。


 新しい指輪にしてから、絶対になくさないようにしている。

 中が見えるボトルにしまっているの。


 なくした指輪と今ある指輪。

 二つの指輪、合わせて二十数年経つね。


 二人合わせて四十数年か。



 ありがとう。

 あなた。


 あなた。


 ありがとう。



 これからもよろしくね。







Fin


――特別な日におくる。

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