第63話

ー本屋に向かう途中ー

三良

浜谷、部活には慣れたか?


浜谷

大分、慣れてきましたね。

もう入部してから2ヶ月以上経ちますしね。


三良

確かにな。

あとあんま言っちゃいけない話かもしれんが。

いいか?


浜谷

はい、何ですか?


三良

お前昔辛いことがあったらしいな。


浜谷

…はい。


三良

すまんな。

やっぱり部室にいるとたまにそういう話を耳にするもんでな。

ちょっと気になってしまってな。


浜谷

…そうなんですね。


三良

悪いな。

勝手にそういう話をしてしまって。


浜谷

あっ、いえいえ大丈夫ですよ!


三良

まあ、何だ。

俺が言いたいのは、何か辛いことがあったり弱音を吐きたい時は俺に言えよ。


浜谷

えっ…。


三良

まあ俺はお前の先輩だし、それに何かお前たまに寂しそうな顔をするからほっとけなくてな。


浜谷

三良先輩…。


三良

まあ、俺の他にも間宮とか他の連中もいるからさ、誰でもいいから相談しろよ?

皆お前の味方だからさ。


浜谷

…ありがとうございます。


三良

おう。



ー本屋ー

三良

おっ、あったあった新刊。


浜谷

4巻見つかりました?


三良

ああ、あったよ。


浜谷

今回の巻も粒ぞろいですから期待してくださいよ。


三良

ああ、そうするわ。


あっ、俺が書いた新刊買ってくれんの?

嬉しいなぁ〜。

ありがとな三良。


三良

あっ、あなたは・・・。


浜谷

(誰だ・・・?)


久しぶりだな三良。

元気してるか?


三良

まさか森原先輩に会うなんて思いませんでしたよ。


浜谷

(森原・・・)


三良

浜谷、紹介するよ。

この人は森原 智(もりはら さとし)先輩だ。

今、大学一年生なんだ。


浜谷

大学一年・・・っていう事は。


三良

OB・・・っていう事になるな。


森原

そういえば皆元気にしてるか?


三良

はい、おかげさまで。


森原

なら良かった。

ところで隣の子は誰?

凄い良い声してるけど。


三良

紹介します、こいつ浜谷 智春(はまや ともはる)っていって、期待の1年生なんです。


森原

ほぉ〜そうなんだ。

よろしくね浜谷君。


浜谷

あっ、よろしくお願いします!

そういえばさっき森原さんが俺が書いた新刊って言ってましたけどそれって・・・。


森原

ああ・・・。

だってその本の作者俺なんだもん。


浜谷

えっ、ええっー!!


三良

ああ、この森原先輩は現役の大学生にして小説家でもあるんだ。


浜谷

えっ、そうなんですか・・・。


三良

信じられないかもしれないが事実なんだ。


森原

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