11冊目 隙ならいいってもんじゃねえ!

 どうも、吾輩です。

 前回「多少隙があったほうがいろいろねじ込みやすくていい」という話をしましたが隙がありすぎるのも考え物です。いや、隙を通り越している、というべきでしょうか。


 隙はあくまで隙。

 設定があやふやすぎてときに矛盾を生じ、ときに公式がキャラブレしているありさまは隙と言いません。

 ザルです。ザル設定です。

 

 ザルの例として特定作品を出しますと。

 最近興味を持って古い特撮作品を調べているのですが……ガバガバじゃねーか!

 今回はもっとも習熟したジャンル(先達にはかなわないけれど)である初代仮面ライダーでいってみましょう。

 

 なんで1カットだけ片手がドリルなんだよ! せめてその回の中だけでも統一しろよ! 車いすに乗ってると思ったら何うろうろ歩き回ってんだよ! 足は大丈夫なんですか!? あとから怪人態に変身する癖に、普段の姿がどう見ても怪人です本当にありがとうございました! 変装が得意なのはよくわかったけど眼帯したまま顔にクリーム塗るのどうなの!? さすがに演者の方と公式設定の身長に幅がありすぎじゃない!?(※1)

 

 吾輩はゾル大佐(※2)が(軍服だから)好きなのだが、部下の精神のたるみを叱責しておきながら自分は煙草の吸殻をアジトの床に捨てるわ、眼帯と髭がトレードマークなのにどっちもない顔に2回変装するわ(伊達眼帯と付け髭なのか?)、車検は通すわ(※3)、作中では明かされなかったものの公式によれば眼帯の理由は名誉の負傷どころか労災だわ(※4)で、もう、なんかもう……どうしようね!

 

 このぐらいザルだと、そのザルさを愛でることができる。

 ザルな設定の推しを持つ皆さん、そのザルさに突っ込みながらも、末永く愛でてあげてくださいな!


※1 大幹部

 初代仮面ライダーの悪の秘密結社ショッカー、およびその再編後の組織であるゲルショッカーの幹部の皆さんである。 


※2 ゾル大佐

 ショッカーと言えば死神博士だが、実は博士より先に着任した大幹部である。「元ナチスでガス室勤め」という、今だったら一発アウトな設定を持っている。愛用の鞭は総統から下賜されたとのことだ。もっとアウト。


※3 車検

 ゾル大佐が車で逃走するシーンにて。車検を通したことを証明する、あのシールが貼ってある。その車、ほかの出演者の方の私物だったらしい。


※ 労災

 ガス室勤務時代の事故らしい。なぜガスで片目だけやられたのかと思わなくもない。

 ガス室時代の後輩も眼帯だが、こちらは戦闘での負傷。眼帯に模様入りなのがおしゃれ。

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