第12話 魔女の自己紹介

「ならこれから学生会の皆に紹介するのです。行くですよ」

 詩織ちゃん先輩はそう言って工房の外に出る。


「シャッターを下ろすので手伝って欲しいのです」

 確かに詩織ちゃん先輩の身長ではシャッターを下ろすのは大変そうだ。

 僕と緑山なら手を伸ばせばシャッター下に何とか届く。


「それでは学生会室へレッツゴーなのです」

 という訳で詩織先輩を先頭に3人で歩いて行く。

 一番近い入口から校舎に入り、すぐ先の階段を上って廊下を10歩。


 もう学生会室の入口だ。

 予想以上に近い。

 詩織ちゃん先輩はドアをノックしないでがーっとそのまま開けて中へ入る。


「新人2人確保したのですよ」

 オリエンテーションや学校案内等でおなじみの面子が中に並んでいた。


「遠慮せずに入って座るのです。席はここと隣が確保済みなのです」

 詩織ちゃん先輩はそう言って手前側の空席の机をばんばんと叩く。

 なので俺がそこに座り、出口側の隣に緑山が座る。


「宜しければどうぞ」

 と女性の先輩が紅茶入りカップを前に置いてくれた。


 テーブルは円状の配置になっている。

 正面が会長のルイス先輩。

 左が副会長のソフィー先輩だ。

 このあたりはガイダンスやオリエンテーションで知っている。


 会長席の右が詩織ちゃん先輩。

 本当に監査役らしい。


 あとはぱっと目でわかるのは昨日工房にいたロビー先輩位だ。

 他は名前はわからない。

 全部で僕ら2人を含めて男4人女10人の14人だ。


「どうも詩織が色々迷惑をかけたようで済まない」

 いきなりルイス会長はそう言って頭を下げる。


「ルイス酷いのですあんまりなのです」

「でも学校始まって3日目に学生会希望者が2人もいるとは僕にはどうしても思えない。今までが今までだからな」

 そこまで言った後、ルイス先輩は改めて僕らの方を向く。


「僕は学生会長で攻撃魔法科4年のルイス・ヴィンセント・ロング。ルイスでいい。大体皆ファ-ストネームで呼び合っているから」

 そう言ってルイス先輩はソフィー先輩の方を見る。


「私は副会長のソフィー・サラ・グリンヒル、ソフィーでいいわ。補助魔法科医療専攻4年。よろしくね」


 そして詩織ちゃん先輩だ。

「おなじみ監査役の田奈詩織ですよ。魔法工学科の4年なのです」


 次はソフィーさんの左側のツインテールの小柄な女の子だ。

「松原愛希、攻撃魔法科の3年だ。宜しく」


 次は更にその左側のポニーテールの女の子。

「私は山下理奈、同じく攻撃魔法科の3年ですわ。どうぞ宜しく」


 そして今度は詩織ちゃん先輩の右隣のおなじみロビー先輩。

「ロビー・ヤング・ウッズデス。魔法工学科3年デス」


 次は理奈さんの隣のおかっぱの女の子

「日吉美雨です。2年補助魔法科。宜しくお願いします」


 更に隣のおかっぱのちょっと細めで鋭角な感じの女の子

「綱島沙知です。同じく2年補助魔法科。宜しくね」


 最後は僕の右隣のちょっと肌の色が黒い身長の高い女の子だ。

「世田谷・バートン・エイダといいます。2年攻撃魔法科にいます。よろしくお願いします」


 これで先輩方は全員だ。

 なので僕も続けて挨拶する。

「三輪朗人と言います。魔法工学科に入学しました。宜しくお願いします」

「緑山典明です。同じく魔法工学科です。宜しくお願いします」

 緑山もいつもと違い普通に挨拶した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る