番外編その五十一 「参議院選挙」

 秘書さん

「今さらながら参議院選お疲れ様でした。ほとんど予想どおりでしたね」


 小池さん

「ほんとよね。順調すぎて思わず野党を叱責したくなるぐらいにね」


 小池さん

「当選者の名前に貼る薔薇の造花も、一生懸命作った甲斐があったわ。カメラのフラッシュにたかれるあの瞬間があるからこそ、総理をやってよかったとしみじみ思うわね」


 秘書さん

「ですね。選挙中に一国の総理が執務室で造花を作り、その動画をネットに流したからこそ、この勝利があったと言っても過言ではありません。本当、目本国民はおめでたいですね」


 秘書さん

「ですが喜んでばかりもいられません。新政党も誕生しています。今はまだ一粒種ですが、やがて芽を出し大きくなれば、我が醤油拉麺党をおびやかす存在になるかと……」


 小池さん

「慌てることはないわ。しょせん泡沫政党。時期が来れば消えるわよ」


 秘書さん

「……その、根拠は?」


 小池さん

「新政党って『つけ麺党』と『まぜそば党』でしょ? 前者は冬になれば国民の支持が失うし、後者は一過性のブームよ。飽きられればそのうち消えるわよ」

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