第九十一話 てるてる坊主の嘆き

「なあ、俺らをグラウンドの真ん中で逆さ吊りにするって、ひどくないか?」

「そうだよなあ。でも、明日雨降らさないと俺たち火あぶりだよ」


「ひでえ……。俺たちに雨降らす力なんかないって」

「雨を止める力もないし」


「明日の草むしりを、雨で中止にしたいってだけだよな」

「とことん根性腐ってやがる! ガキどもめっ!」


「まあ、どうせ明日は快晴だろ。四十度くらいになるらしいし。俺らと一緒にこんがり火あぶりだ」

「俺らは草むしらんでいいしな」



【おしまい】

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