第九話 奉仕

「校庭の草むしりって、あたしたちのボランティアなんでしょ?」

「うーん、それはちょっと違うかも。奉仕はしてないし」


「じゃあ、あたしたちに何か金銭的、精神的な利得があるわけ?」

「ないよ。そんなもん。ただしんどいだけ」


「じゃあ、無料奉仕じゃん」

「だから、奉仕じゃないって。誰かにとっていいことをするのが奉仕なんだよ?」


「草むしりはいいことじゃないの?」

「まじめにやってないあたしたちの後で、先生が総出でやり直してる。そっちは奉仕」



【おしまい】

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る