曇天

 こう暖かいと曇り空というのも悪くはない。

 月も星も無く真っ暗な闇というのも趣がある。


 目さえ慣れれば、そう困ることもない。

 ズボンのポケットにはアイリッシュを詰めたスキットルが入っている。

 軽く口に含みつつ、ひたすらに歩く、目的地が少し遠いのだ。


 小さな神社の境内にある池へと訪れた。

 亀池と呼ばれているが、実はスッポンの方が多く生息している池。


 今夜はお前に乾杯だ、スッポンよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る