第6話 最弱ステータス

んんー。朝か…。

私はそっと目を開ける


「わぁああ!!」

「み、みかさん!!!」


こんなにも声を上げたのは、朝起きたら隣で美香さんが血だらけで寝ていたからだ。


え?私の寝ている間に何があったの…!?

美香さん大丈夫なの?!


「ふぁあーっ!もう朝かぁー。椿ちゃん、おはよぉー!!」


「そ、そんなことより、美香さん、この血は?!大丈夫ですか?!」


「ああ、この血?えっとね、はなじーだよー」


「はなじー…」


はなじー=鼻血。

鼻血でこんなベットが血でトバドバになるのか…。美香さんの鼻血恐るべし…


「それより、鼻血大丈夫ですかっ?!」


「よく出ちゃうのよねー。あんまり気にしないでいいよー。心配してくれてありがとーね」

「よし!今日はステータス計りにいくわよ!!」


美香さんは鼻血を拭いて、クローゼットからキラキラとラメが入ったアラブ服のような青い生地の服を取り出した。


「朝ごはんは、どっかで買いましょう!さぁ、行くわよーっ」


「えっっ!」


着替え終わった美香さんは布団の中にいた私の手を取って、家を飛び出した。


「は、はやいですぅーー!」


「さぁさぁ、レッツラゴーーー!!」


やけに、美香さんのテンションが今日高いです…。








「ここよ」


着いたのは大きな教会だった。


「中に入りましょう」


「はいっ」


大きな木の扉を潜ると、目の前には身長と同じくらいの大きな水晶と体長15センチぐらいのハゲた小さなおじさんが水晶の上に座っていた。


「美香さん、このハゲたおじさんは、なんですか…?」


そう聞くと、美香さんは不思議そうな顔でこっちをみた。


「おじさん?」


「ここにいる…」

ハゲたおじさん。美香には見えてないのかな。


それにしても、このおじさんの頭のハゲ方…。やばいっしょ。

カッパ型ハゲじゃん。教会にいるおじさんだから神様のイメージみたいに、白いヒゲ生やしてピカピカ、ツルツル、スベスベの究極ハゲでよくない…?


(カッパ型ハゲとは、頭の中心部分だけハゲていて、周りにはまだフサフサの髪の毛がある事である。

究極ハゲとは、頭から1本も髪の毛がない事である)


「とりあえず、ステータス貰いましょ」


私はコクリと頷いた。


「この水晶に向かって手をかざしてみて」


私は言われた通り、水晶(ハゲたおじさんの頭上)に手をかざした。

その瞬間、桜を思い出す春の風が吹いた。

一瞬だけど確かに感じた。

この世界に来る直前、私に声を掛けてきた者の気配を…。


「ステータスが水晶の中に数字として出ているはずよ、なんて書いてあった?」


――――――

・名前 青木 椿

・年齢 16


・種族 人族(転移者)


・適正武器 枝


職業【】

・レベル 0


・HP 500/500

・MP 0/0

・幸運 10(+1000)

・精神 100

・持久力 50

・体術才能 0.5

・武術才能 0.5

・魔法攻撃 0

・魔法防御 0


スキル 『最弱の力』


属性 なし


加護 古代種族の加護


※幸運+1000は、眼帯によるもの。


.

――――――



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