お笑い司会者

「助けてほしい」


俺と教祖がいるお笑い教のお堂へ

今やテレビで見ない日はない俺の相方がやって来た

『まんなかランド』の売れてない方に、助けれる事なんてあるものか



しかし、どうして困っているのかは知っていた

教祖ともその事を話していた

今、相方は世間から大きなバッシングを受けている


相方の作成したAIは絶大な効果を示した

要は、絶大過ぎたのが問題であった


相方の堺は報道番組の司会をやっていた

時に面白く、時に真面目な報道番組は多くの人から支持された

その中で、お笑いAIは重要な役割を果たした


難しい内容もAIは難なく理解した

そして、何にでも笑いにできた


そのため、番組の題材は、有名人のスキャンダルから政治、国際情勢と広く

時に、AIが生み出すお笑いは、相方の声を通して世論を左右した

番組の影響力は大きくなって行った


番組には、有名人や有名政治家もこぞって出演を望んだ

自分の事を笑いのネタにされては困る




そんな、相方が一転、困っているのは有名であった

その影響力が大きくなり過ぎた事へのバッシングだ



不倫の話を笑いのネタにされて、傷つく人間がいた

犯罪の話を笑いのネタにされて、家族の事を心配した

政治情勢はもっと複雑であった



大きな問題は、笑いと結びつく事で非難が煽られる事、非難する人間が正しいように見える事であった



『完全に正しい人間なんていない』

相方へのバッシングが始まった

ただただ大勢からのバッシングが浴びせられた





「もう、テレビの仕事は辞めたい

 ホンマに人から恨まれてる

 どうしたらいい?」

 そう相方は話す



俺と教祖は、同じ事を考えていた

「お前が、失敗をしたんは自虐ネタが足らんからやで

 疲れている人、困っている人を癒せる自虐ネタが足らん

 お笑い教の基本やで」



教祖は言った

「仕事は止める事はないですよ

 続けるべきだ」





報道番組が始まった

「不倫騒動後、坊主頭にして現れたましたが

 果たして、信用を取り戻す事ができるでしょうか」

不倫報道の対する相方のコメントから始まった

「私の時は、眉毛以外は全て坊主になりましたからね」


司会者の自虐ネタに番組はいつもと違った笑が起きた

そして、少し場が和んだ


相方はこの放送の後、番組の司会者の仕事をやめてしまう

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