第10話 華闇
シーズン問わず
そこの雰囲気はいかついと言えばいいか
刺々しいというか
冷ややかというか
いかようにも表現できる
だが優しいといったような感じではない
常に毒を含んでいる
若年・壮年
ここに足を運ぶ人はみな
何かしら刺激を求めてるのは確かだろう
あまり広くはない敷地内ではあるが
現実のなかにある金で買える非現実
ネオン煌めく通りから
淫靡な香りを巻いてる通り
酒は各地で賑やかに
女は各地で金を貪り
男も同じく金を貪る
口の達者な男や女が
道行く人に甘い声かけ
どんな店も不思議と変わって見える気がする
人は一度は憧れを持ち
行ってみたいと思いをはせる
非現実的な深い闇が
この華やかな街にあるだろうと
人は夢を抱いてみる
とある男は街行く女に声をかけ
連絡先を教えてほしいと
ふらふら追いかけ
手に入れたなら嬉々とする
教えないつもりの相手でも
追われ続けてしまったならば
気持ちが変わって教えてしまう
アルコールを入れてなくても
自然と価値観や考え方がここにいるときだけ
変化している
人を酔わす雰囲気が取り巻いている
怖い世界が見え隠れすると
私は偏見を持って
この街をみていたものだ
闇の中に浮かんだ華やかなここ
ビルに背を向け
暗がりを抱く女は携帯を見つつ
道行く男に声をかける
男はビビるものと笑みを浮かべるもの
しかし金を握らせ
街の奥へと消えていく
楽しみたいならいくらでも楽しめる
それが合法であれ非合法であれ
金がモノを言う場所
故に人は憧れる
華やかさにも
暗い闇のスリルにも
魅力を感じて
今日も誰かが足を運ぶ
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