第105話

「何か……?」

 漫画家が意味有りげに訊いた。


 どうすれば、いいの……。


「言いヅラければ聞かないけど……」

 クッキー様は優しい。


「いえ、あの……、公平くんも小学校の時、同級生だったンです」


「えェ……?」 

 またも、重たい沈黙が訪れた。

 

 ドキドキと胸の鼓動が聴こえそう。


「ン……、なるほど……、その二人に何か、繋がりがあるのかな」

 クッキー様の問いに無言で首を振った。


 これ以上は言えない。


 どうしても、あの《秘密》だけは……。

 クッキー様に、知られたらされる。

 きっと嫌われるわ。


 だから、言えない。


 絶対に……


 その後、あたしは大学へ行くと言って屋敷を後にした。


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