第26話 ちいさなヒッポ 親子で楽しんでもらいたい絵本

紹介する本

ちいさなヒッポ

マーシャ=ブラウン さく 

うちだりさこ やく 

偕成社 発行


この本を紹介されたときは、正直あまりなんとも思わなかったのです。20年を経て、今見直すと、先生の言っていたことがよく理解できる気がします。

「これは版画なのよ。」と言われ、そうなんだと気づきました。ヒッポやお母さんの目つきや口などの表情により、その時々の感情がわかります。スゴイな版画で!水辺、パピルスなどの草々。昼、夜の景色の違い。川の波、魚、他の動物達。本当に絵だけでもおもしろい!

母親からの愛情、子どもらしいヒッポ、こういった姿は人間となんらかわりなく書かれているようだ。

なぜかあまり読んであげた記憶がないのは、その時親である私があまり好まなかったせいだと思うと、母親である私が子どものための絵本選びを自分の好みで操作していたんだと反省。もうやり直しがきかないが・・・。

「すぐに本の文章のところにに行くのではなく、扉とか、ゆっくり見せてあげてね。」と。この本に素敵な光景が扉などにもあるので、ゆっくりページをめくることも教えていただいたのです。(他の本もこういうことは大切)

私自身はそれほど読んであげていないのに、おすすめするのはなんですが、良い絵本はきっと親子で楽しめるので、ぜひ、ご一読いただきたいです。


(以下はお話の粗筋で、この本のことを読むかどうか判断いただきたいために書いたのですが、できれば下記を読まずに絵本を手に取ってご自身でお読みいただき、じっくり絵本をご覧ください)


かばのヒッポは川辺のそばでおかあさんとのんびり。昼間は砂地に重なり合って寝転んだり、川で眠ります。おかあさんと一緒ならこわいものはなし。

おかあさんはヒッポにかばの言葉を教えます。とにかく「グァオ」ということ。でもヒッポはなかなか上手に言えません。練習するけれどうまくいきません。

ある日、みんなが眠っているときに、木の葉と遊びたくなったヒッポは水面に出ると、ワニにしっぽを噛まれ、水の中に引きづりこまれそうになります。ヒッポは「グッ グッ グァオ!たすけて」と叫ぶと、お母さんが声をききつけ、吠え、ワニを咥え、放り投げます。

そして、お母さんはヒッポにおこごと。どんな時でも小さなかばは「グァオ」と叫ぶことを。


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