第9話 そして

【早い!】

別室で少し待っていてくださいということで、加藤さんと山田さんはお隣の部屋へ移動しました。

しばらくして、課長さんがお一人で入ってこられました。


課長さん「私どもとしましては、是非加藤さんに来て頂きたいと考えています」

移動してから十分かそこらです。まさかその場で返事があるとは、その早さに驚きです。


課長さん「それで、加藤さんの方はいかがでしょうか?」

加藤さんは、答えちゃっていいの? と山田さんの方を見ます。


山田さん「後ほど、ご連絡させて頂きます」



【帰り道】

山田さん「加藤さん、どうされますか?」

加藤さん「来てくださいと言っていただけてますし、私の方もお願いします、で」


山田さん「先方にもその様にお伝えしますね。開始日はどうしましょう? 早く来て欲しいという感じでしたけど」


加藤さん「山田さんの方で上手く調整していただければ」

山田さん「わかりました」


(こういう時の調整とか、派遣元の仕事だよね?)



【サイズ】

山田さんと別れて、家に帰ったら、派遣元の別の人から電話が掛かってきました。


電話の人「この度は、決めていただいてありがとうございます。それで、制服の準備にサイズを教えていただきたいんですけど」

加藤さん「Mです」


電話の人「あと、靴もありますので、足のサイズも」

加藤さん「24cmです」

電話の人「ありがとうございます。Mサイズと24cmでお伝えしてきますね」

加藤さん「はい、お願いします」


(こういう、逃すものかって感じのは対応早いよね)



【結局】

派遣先の切替は、結局、月の変わり目になりました。


次の所が忙しくて、連絡がなかなか取れなかったのか、10日ほどしてから、ようやく山田さんから連絡が来ました。


今の派遣先の課長さんからも、ちょこちょこ「いつからか決まった?」という質問をされました。

どうやら、きっちりいつまでが決まってから、みんなに伝えようとされているようでした。


早く来て欲しいなら、早く連絡をしてくれないと、できないのです。

ただ、山田さんがサボった可能性を否定できないのが、悲しいところです。

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