第118話

「樹理さん! どうなの。

 金沢さん一人に責任を押しつけるつもり!!」


「う、うぅ…、みんな……、ゴメンなさい。

 私のために」

 樹理は泣き出した。


「く、わかりました。私から説明します」

 舞美が改まった。


「私たちは、先日……、文孝君の実家へお線香を上げに訪れました」

 リオが頷いた。


「そこで樹理が懺悔したンです。

 そして……」


「阿久堂殺害の計画を立てたのか?」 

 オレは舞美の顔を見れない。


 うつ向いたまま訊いた。


「ええ……」

「違う! これは、ワシ一人がやった事だ」

 文孝の祖父は、あくまで自分ひとりでやったと主張を繰り返した。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る