第15話 カナブン

「待って下さい。あの事故はイジメではありませんよ」

 教頭はハンカチで額の汗を拭った。


「フゥ…ン……」

 いい加減にしろって……


 まだ教師たちは誤魔化す気なのか。

 お前ら教師が、いつも見て見ぬ振りをした所為だろう。


「去年、飛び降りね~……?」

 冨田刑事がタブレットを操作した。


「ああ、カナブンって、ヤツさ」

 オレが教えてあげた。


「ちょっとカナブンって、呼ばないでよ」

 大人しい樹理が声を荒げた。


「そうよ。金沢くんでしょ」

 メイがオレを睨んだ。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る