第63話 クレイトン家の遺産

クレイトンの手記

 最後の頁より抜粋――



 貴族にとって落日は、“死”のように常に背に張り付く不気味な影であり、逃れることのできぬ運命だ。

 今宵、その運命がこの身に降りかかるのも、唐突ではあるものの、我にとっては心していた事でもある。だが……

 例えどれほど見苦しく見られようとも、与えられし落日が奴の手になるものと知って、どうして糾弾を受け入れ素直に都落ちなどできようか。


 ルブラン――奴の好きにはさせないっ。


 せめて奴が狙う我が愛すべき小鳥だけは、我の手元より離して最愛の者に委ねることにしよう。

 再起を助く力と共にしばし眠りに就かせ、いずれまた我か我が子孫がこの麗しき都に返り咲くその日まで。

 創造と破壊の姉妹が手を取り合い、小鳥が解き放たれるその刻まで――


         *****


 細部に違いはあるだろうが、手記の一部をそらんじてみせる元女中頭であるネレンセは最後にはっきりと付け加えた。


「――それが手記の最後の頁に書かれていた内容です。ちなみに“最愛の者”とは南街区に別邸を与えられていたソリシア様のこと」

「南街区?」

「ええ。ソリシア様は正妻ではございませんので」


 その意味深な言い回しでトッドはソリシアなる女性の立場を愛人の類いであろうと察する。その所在をあえて上流層が住まう西街区と区別することにより、正妻に溜飲を下げさせる配慮をしたのであろうと。


「クレイトン家が都を去ると同時に私はソリシア様の下へ身を寄せることになりました」

「ああ、資産の“見張り役”として――だな?」

「そう……かもしれません」


 今さらながらに思い当たったように彼女は悩ましげに眉をひそめ、戸惑いながらも肯定する。

 あるじの思惑がどこにあろうとも、職を失うことが避けられた紛れもない事実と、一方で今、このような恐ろしい目に合っている事実とが絡み合い、彼女としては非常に複雑な心境ではあったろう。


「確かに定期的な連絡は命じられていました。おもにソリシア様の事を伝えるように云われていましたが、今思えば、そういう意味・・・・・・がなかったとは云えませんね……」

「まあ、真実は分からんけどな。それでも“再起を助ける力”とやらがそれなりの資産であることは容易に想像着くし、だったら某かの手を打っておくのが貴族ってものだと俺は思うがね」

「……」


 ネレンセにしてみれば、結果的に新たな主人を裏切るような真似をしていたのだと知って、引け目を感じたのか、表情を深く沈めるのを「ああ、いやそんな話しをしたいんじゃない」とトッドが慌てて話しの流れを変えようとする。


「それより、聞かせたいネタがあるんだろ? その内容によっちゃ、あんたも今の境遇から抜け出せるかもしれねえんだ。悪いが今は、その一点にだけ集中してくれねえか」

「……ええ、そうですね」


 トッドの言葉で嫌な現実に目を向けさせられ、だが、だからこそその強い刺激で彼女は我に返ったように気持ちを切り替えんとする。


「まずは、そうですね……私が言いたいことは、手記を順に読み解いていけば分かっていただけると思います」


 “最愛の者”――ソリシアにクレイトン家が都へ返り咲くための“再起を助ける力”――軍資金を託したという内容をネレンセはあらためて整理する。


「ここでひとつ気になる点があります」

「“再起を助ける力”と共に託された“愛すべき小鳥”が何なのか――だろ?」


 分かっているぜとトッドが笑みを浮かべればネレンセはその通りだと真摯に頷く。


「“助ける力”に“小鳥”と、あえて表現を変えていることには意味があると思うのです。恐らくは、それこそが旦那様が遺された“隠し資産”の核を為すものではないかと」

「核……?」

「ええ。その価値がいかほどかは分かりませんが、クレイトン家には好事家にとって垂涎の家宝があったと聞いてます。私たち使用人の目に一切触れさせない宝が」

「ふん」


 軽く鼻を鳴らすトッドの目が鋭く細められるのをネレンセは見逃したため気付くことはなかった。

 “宝”という言葉に、世界を股に掛ける『探索者』としての血が騒ぐのは当然の心理だが、関係者からすれば下世話な好奇心にしか思えまい。なので、彼女に気付かれなかった小さな幸運のおかげで話しはスムーズに進められる。

 

「ただ残念ながら、お屋敷が大火に巻き込まれた際、ほとんどの資産は焼失してしまい、その時にソリシア様も亡くなられてしまって、今となっては真実を知る術はありません……」


 当時、所用で外に出ていたネレンセは自分だけが生き残ってしまい、唯一手元に残されたのが手記なのだと再び表情を曇らせる。


「しかしながら、どういうわけか手記を狙う者が現れました。大火で都の様相も変わり、邸宅跡がどこなのかも判然としないというのに……」

「その跡地を見つけたのさ」


 それしかないだろとトッドは言い切る。念のため、確証あっての発言とまで匂わせずに。

 ネレンセは金目の資産を失ったと、だから今さら当時の手掛かりを求める者が現れる不思議さに困惑しているようだが、トッドからすれば、むしろ最も肝腎なものを見落としているぞと指摘せずにはいられない。


「他者の目からみれば、焼失した証拠があるわけでもなく、生き残ったあんたが隠しているのでなければ、“小鳥”はまだ跡地に眠っていることになる・・・・・・・・・・。手記にもあったよな――“眠りに就く”とは“地下に埋める”か“安置する”という意味に思えないか?」

「……そう……そこなんです」


 トッドに指摘されたからというよりも、むしろ、それをこそ云いたかったのだとネレンセが勢い込んでトッドを軽く驚かせた。


「だから余計に最後の言葉・・・・・が引っかかるんです」


 それが彼女が聞かせたかったネタであったらしい。

 手記に対して引っかかっていたこと――すでに前段できっちり記述し終えていることを再び言葉を換えて繰り返す違和感。


 創造と破壊の姉妹が手を取り合い、小鳥が解き放たれるその刻まで――


 それは地位の落日と再起を貴族らしく詩的に謳ったものと見れなくもないが、実は単なる言葉の繰り返しではなく、明確な意図の下に記されたものだと読み解けば、別のものにも見えてくる。


「つまり、あんたは最後の文が“隠し財産”の在処・・を示していると?」

「いえ。“在処”というよりは“鍵”になっていると思うのです」

「?」

「ソリシア様にお仕えしていたとき、お屋敷には誰も踏み入ったことのない地下室がありました……在処というならそこしか考えられません。とても頑丈そうな扉に彫り細工レリーフが施された、それは見事な扉がある地下室に」


 その“鍵穴の見当たらぬ扉”が屈強な門番となって誰も中へ入れなかったとネレンセは云う。恐らくは屋敷の主人であったソリシアでさえも。

 堅く閉ざされた扉の向こうに、くだんの“小鳥”が人知れず隠されているだろうと彼女は遠い目をしながら訴える。


「つまり、あんたの見立てでは、その彫り細工レリーフこそが“鍵”だと云うんだな?」

「おそらく」


 面白くなってきた。

 トッドは表で憮然と唇を引き結びながらも内心で笑み崩れてしまう。

 鬼灯達の安全面を支援すべく、念のため依頼者の秘密に探りを入れておいた程度が、まさか没落貴族の“隠し資産”の話しに発展するとは嬉しい想定外だ。

 しかも、ここの組織は最近『クレイトン一家』の傘下に収まったばかりであり、そこまで分かれば、どうやら没落貴族の縁者が一家をまとめているのは間違いあるまい。

 当然、彼らが“倉”を襲撃する本当の理由は、本来の所有者である己が資産を取り戻すため、というわけだ。


(だが、この手のものは発見者の“総取り”と相場が決まってる――)


 手記が証拠になるなら別だが、ならないか、そもそも紛失してしまえば主張すらできない。奴らが手記の確保を血眼になるわけである。


(正直、『俗物軍団グレムリン』の動きを弱められるなら、それに越したことはない。ならば奴らにとって裏組織の主力である『クレイトン一家』を叩くのは決して悪い話しじゃない……)


 このまま手記を奪うか、あるいは宝をものにすれば、丁度いい邪魔立てをしたことになるとトッドは頭で計算する。

 それは『探索者』の夢まで叶えられるまたとない好機。まさに趣味と実益を兼ねる、といった感じに。


「いい話を聞かせてもらったぜ」

「じゃあ――」


 金はやるよ、と言いかけたところでトッドは争いの音を耳にする。考えるまでもなく、彼が先ほど蹴散らしてきた残党の声だ。

 トッドの表情の変化にネレンセも気付いたようだ。一瞬で緊迫した室内でトッドはすぐに己が取るべき行動を決断する。


「ベッドの下に隠れてろ」

「!」


 指示だけしてトッドはすぐに部屋を出た。

 出払っていた仲間でも戻ってきたのか、あるいは援軍でも呼んだのかと思ったが、廊下に出たときにはすでに物音は途絶えて静まり返っている。その事実にこそ嫌な感じがしてトッドの足は自然と忍び足になっていた。

 廊下から望める先ほどの室内に人影は見当たらず、声も聞こえてはこない。


 待ち伏せか――?


 そう警戒するトッドを思わぬ事態が出迎える。


「……」

「……」


 部屋の中央にフードを目深に被って顔を見せぬ何者かが独り立っていた。

 部屋に一歩踏み込んだトッドが声もかけれず見つめてしまったのは、その者が手にした見事な剣が血に染まっていると気付いたからでも、その周囲に血塗れで倒れてもはや全員が息はないだろうと確信させる凄惨な現場を目にしたからでもない。

 ただその立ち姿を目にしただけで、天敵に出食わしてしまった野鼠のように、身を強張らせ動けなくなってしまっただけだ。

 マントで身を包んではいるものの、一瞬女性かと思わせる線の細いシルエット。マントの内側から覗く服装は上質でこの辺りに住む者でないことは一目瞭然だ。

 そして暗闇ではないため、鍛え上げられたトッドの視力がフードの影に隠れた相貌に白か銀の特徴的な髪がかかっていることをそれとなく見極める。


「あんた、まさか――」

「ここの連中じゃないな」


 かすれた声にトッドは確信を深めた。噂で聞いたことはあったのだが、相応の立場ある人物が本当に独りでこんなところを出歩いているとは。


あんたも・・・・


 動揺のせいで余計な事を口走ってしまったと気付いたときにはすでに遅かった。組織の“食客”扱いだとうそぶいて逃げる口上はあったはずを、目的が同じと知られれば、邪魔者と見なすかどうか相手の動向が読めなくなってくるからだ。

 だがトッドに言い繕う間も与えずに、事情を知る者と断定した上での質問がそいつの口から投げかけられる。


「ネレンセはどこだ?」

「……」


 正直に答えるべきか否か。

 嫌な予感がトッドを迷わせる。

 まるで見てはいけない現場に居合わせてしまったように、相手の何気ない質問に、トッドは命の危険を嫌が応にも感じ取る。

 やはり素直に答えるのが正解か? いや、答えた途端に斬られるイメージしか浮かばない。

 トッドの鍛え抜かれた生存本能が、絶体に避けるべき“己の死”を容易に想像させる――つまりそれだけの相手ということだ。

 真っ向勝負など言語道断。

 言葉巧みに戦いを避けるか、それが無理でも場を変え、何とか隙を突いて逃げるしかない。


「“あんたも”と云ったな――お前もか・・・・? 知っていることを話せ」


 ふいに叩きつけられた圧力は、そいつにとっては脅しのつもりであったろう。だが、その手加減・・・がトッドに好機を与え、彼はその圧力に押されるように出し抜けにバックステップを行っていた。

 

「――!」


 “場”の流れに乗った動きはスムーズで、完全にそいつの意表を突いたはずだ。

 だが、そいつは一瞬の遅れもなくトッドのステップに合わせて同じ距離だけ詰めてくる。

 トッドの全身が総毛立つ。

 相手が想像通りの人物なら、所詮は戦闘特化――手練手管で凌駕し得ると判じていたものを、今の見事な反応に噂以上の場馴れした凄み・・・・・・・さえ感じ取って。だからこそ、無我夢中で短剣を投げつつさらに廊下の奥へとバックステップを繰り返す。これから先の判断すべてが、生死を分かつ選択になると思い知りながら。


「ちいっ」


 トッドが舌打ちしたのは、投げつけた短剣がそいつに当たる手前で不自然に方向を曲げてしまったためだ。

 

 『矢避けの防陣ディフェンス・オブ・アヴォイディング・アロー』――。

 第一階梯の風の精霊術で飛来物を反らす術がある。それを精霊との干渉コネクトなしに顕現させた理由はひとつ――これも噂通りにそいつが身に帯びる『魔術工芸品マジック・クラフト』の為せるわざであったろうか。


 いずれにせよ、トッドの仕掛けは相手にとって何の支障にもならず、無情にもさらなる接近を許してしまう。それ即ち、相手の殺傷圏内に囚われたことを意味する。

 瞬間、トッドの集中力が高まって襲い来る殺刃の軌跡を捉えんとする。



 ――ギィ

  キッ

    キィン――



 躊躇なく切り上げてくる剣をトッドが抜き放った小剣で食い止め、そう思ったときには真逆から二撃目が襲い掛かり、それももう一本の小剣で辛うじて防ぎきり、さらに別の角度から振り下ろされた三撃目を――

 思考はもちろん視認するのさえ追いつかず、すべての斬撃を防ぎきったのは単なる偶然にすぎなかった。


「くぅっ」


 呼吸と集中力の極限に、思わずトッドが苦鳴を洩らす。

 今のは剣技スキルではなく、単純に繰り出された“斬撃の連なり”にすぎない。なのに剣技スキルと見紛うばかりの“速さ”と恐ろしく滑らかな“連撃”に、トッドの額に一瞬で汗の珠がびっしりと浮かび上がる。

 だが、息つく暇などない。

 圧し負けるトッドの歩幅に合わせて、巧みに踏み込む幅を変えながら、そいつは一瞬の遅滞も見せずに流れるような斬撃を繰り出し続ける。



 ヒィ――

    ――ッヒュ



 右かと思えば左、左かと思えば右に。

 狭隘きょうあいな場と思わせぬほど、剣の出所でどころを自在に変えて、そいつは“斬り突く”ような不思議な剣筋で、反応しきれぬ憐れなトッドを着実に追い立てる。


「っ――おっ」


 ダメだ、すでにジリ貧だ。

 小回りに秀でた小剣で、二剣を持ってしてなお防ぎきれず、トッドの身に刃物傷が増えてゆく。

 あと持って数合か。

 誘い込んだはずの長剣に不利な狭き廊下で、巧みに肘を畳んで縦横無尽に刃を疾らせるそいつの姿にトッドは己の死を予感する。


「くそっ」


 まったく地の利が活かせない――いや、相手の状況に対する対応力が普通じゃないっ。

 所詮は“戦場知らず”の“箱庭剣術”じゃなかったのか? 剣対剣、命まで取らない正道な戦いしか経験のない甘ちゃん剣士だったはずだ。

 それがなぜ、実戦で鍛えられたとしか思えぬ剣を振るえるのか。

 これほどの実力を持っていたのか――。

 あまりに想定を越えた手強さに、トッドの驚きが言葉となる。


「――道具だけじゃ・・・・・・なかったのかよ・・・・・・・


 誰もがその強さの根源を、超常の力を与える道具・・のせい・・・だと思っていた。それはトッドにしても同じ事。

 だが事実は違った。

 『白羽級』の自分を相手に“地の利”の不利をものともせず、押し勝てるそいつの卓越した技倆にあらためて恐怖を感じる。

 さすがは“三剣士”というべきか。

 やはり相手は想像したとおりの人物。


「あんたが狙うってことは……クレイトン家のお宝は『魔術工芸品マジック・クラフト』ってわけか。そうだろ、『蒐集家コレクター』さんよ?」

「!」


 云うなりトッドが目の前に取り出して見せたのは小さな小瓶だ。

 ガラス瓶は確かに貴重だが、それ以上の何かがあるぞと意味ありげに掲げて見せて、注意を奪ったところでふいに放り投げてやる。

 それをそいつ――トッドが見抜いたとおりならば『蒐集家コレクター』のいみなを持つバルデアが、中空で器用に刃の平をあてがい、次の瞬間には壁へ向かって押し退けた。

 だが、それでもトッドの思うつぼ。

 壁に当たっただけで小気味よく割れた小瓶から、白い煙が一気に膨れ上がり、危険を察したバルデアとその反応を見極めたトッドがほぼ同時に跳び下がり二人の距離が一気に広がった。

 これもトッドの狙い通りで最後に仕上げの一言をくれてやる。


「勘がいいな。せいぜい吸わないよう・・・・・・気をつけるんだぜ?!」


 トッドは白煙に身をくるまれながら、思わせぶりな言葉でバルデアを惑わせそのまま躊躇なく撤退に移る。あんな化け物とは一度手合わせすれば十分だと。

 レベル7に到達しても自分が戦闘職でないことを痛切に実感させられた出来事に、悔しさを滲ませつつもトッドは身の安全を第一とする。

 実際のところ、煙が無害であると気付かれる前に十分な距離を稼ぐ必要があり、最後まで気を抜くことなどできやしない。


「……ったく、厄介なのが絡んできたな」


 バルデアは公城住み込みの希有な騎士だ。所有する邸宅もなければ召使いもひとりきり。だが質素倹約を旨としているのではなく、金銭のほとんどを『魔術工芸品マジック・クラフト』の入手に注いでいるからだと噂されていた。


 夜ごと公都をさまよう“白髪の影”を見ると。


 噂によっては法すれすれの行いをしてでも求めると語られるが、あれは本当だったというわけか。トッドがいない間に、いかなるやりとりがあったか分からぬが、先の凄惨な現場を目にすれば信憑性がいや増すのは確かだ。

 いや、問題はバルデアの個人的事情ではない。彼の騎士が有する戦闘力にこそある。


「……あんなのとやり合うのは二度と御免だな」


 脇腹を押さえつつ、トッドは何とか建物裏口から難を逃れることができた。腹に血のぬめりを感じつつ、額の汗もいつの間にやら脂汗に変わっているのに気付いて正直驚きはしたが。どうやら先の短い攻防で自分でも気付かぬうちにダメージを受けていたらしい。その一事だけでも『蒐集家コレクター』の実力がただならぬ領域にあることが窺える。


「意外とやべえな……」


 それでも血の跡を残さぬよう細心の注意を払いながら、トッドは何とか裏道を歩き続ける。得られた情報を秋水に、ひいては鬼灯達へ伝えるために。


         *****


同日。

 『クレイトン一家』のアジト――



「どこの組織だ? 舐めた真似しやがって」

「捜し出してぶち殺すぞ!!」


 キスリ一家壊滅の知らせを受け、いきり立つ幹部を「まあ、落ち着きなよ」ボスとは明らかに違う軽薄な声がやんわりと抑え込む。

 そのヤワ・・な声にも関わらず人殺しも辞さない連中がぴたりと口をつぐむ光景はあまりに異様な状況であった。


「君らは、これまでどれだけの組織を潰したと思ってる? 素直に考えて、今さら楯突くような組織があるはずないだろ」

「けどよ――」


 眼帯を付けた禿げ親父が反論しかけるのを隣の幹部が思い切り肘で小突く。「やめろ」との意志を込めるその目に明らかな恐怖を宿らせて。

 禿げ頭が素直に従った理由は彼の視線を追えばすぐに分かる――止めた幹部の左顔面には皮膚がなく、赤黒い頬肉が剥き出しになっている醜い様をひと目見れば、誰の手になるものか思い起こすからだ。

 まるで“奇怪なタトゥ”と見える“仕置き”を受けた者は、よく見れば幹部の中に数名まぎれており、この場にいる全員が、誰に服従すべきか十二分に知っているはずであった。


「確かに楯突くどころか、宣戦布告としかとれない一件だね」


 けど、とすぐに付け加えられた声音に何を感じたか、禿げ頭を含めた幹部全員がその身を緊張で強張らせた。


その女・・・が云ったんだろ?」

「そ、そうですっ」


 話しの鉾を向けられて報告者が背筋を伸ばして懸命に肯定する。


「生き残った女をしゃべらせた・・・・・・ところ、『斥候職』らしい男ともう一人がいたと云っていやした! しかももう一人の男は“コレクター”と呼ばれていたとか」


 ざわり、と場が揺らぐ。

 その名で呼ばれる人物は公都広しといえど一人しかいない。彼らにとっては天敵でもある公都警備兵を擁する公国軍第一軍団長の名だ。

 ただ雲の上すぎて、これまで接点らしい接点などなかったはずなのだが。


「くく……思い切った行動をとるね。いや、噂通り・・・なら個人的に動きもするか」


 柱に背を預けるようにして、一人、幹部達と離れたところで笑みを含んでいるのはぼろ切れを顔に巻いた男だ。

 それは先日、裏路地で扇間と相対した者と同一人物ではあったのだが、口調がまったく変わってやけに軽薄な印象が拭えない。

 むしろ演技がかった先のやりとりより、こちらの方が板について見えるのは、彼がわざと印象操作をしているからだというのをこの組織の幹部連だけは知っている。

 ただし、彼の正体を知る者はボスだけで、幹部が知るのは計り知れない戦闘力を持つという事実のみだ。そして荒事で飯を食う彼らにとってはそれで十分な理由となった。


「警備兵らがここに押し入ることはねえのか?」

「どうして? 証拠となる女はこちらが抑えているのに?」


 むっつりとした表情のまま、テーブルの最上座に居座るひげ面の親父が聞けば、ぼろ切れ覆面は問題ないと返す。


「あの、すいませんっ。女はもう……」

「なら余計にオッケー」


 先ほどの報告者が言いにくそうに顔を俯けるのをぼろ切れ覆面は察して「なお良し」と満足する。


「ね、もう証拠はない」

「だが“奴の趣味”が理由なら、証拠があろうとなかろうと構いやしないだろう」

「そんなに心配なら人を張り付ければいい。あいつの動きを見張って、ここには罠を仕掛けておこう。必要なら仲間を呼ぶよ」

「仲間?」

「そう。ここにいる全員、一人で皆殺しにできる頼もしい仲間だよ」

「「「……」」」


 笑みを含んだぼろ切れ覆面の声とは裏腹に、場にいる誰もがむっつりと黙り込む。この男が言うのだから事実であろうが、まったく笑えない例えに頬を弛めることなどできるはずもない。

 

「じゃあ、“倉庫”の件はどうする? ……前にも云ったが、俺らには俺らの都合がある」

「そう力まなくてもいいよ。こっちも云ったろ? 条件さえ呑めば好きにしていいって」

「だったら今夜だ」


 唸るように、譲れぬとの意志を込めてボスであるひげ面はぼろ切れ覆面に、そして幹部達に対し宣言する。


「今夜、クレイトンの悲願を達成させる」


 ひげ面の一声で幹部連が蛮声を上げ場が沸騰した。その様子を愉快げに眺めるぼろ切れ覆面がひっそりと呟くのを誰も気に留めることはなく。


「……分かってるのかな。『蒐集家コレクター』がここに来るとは限らないって」


         *****


公都到着から四日目<夜>

 “倉”の地下道――



「……ちょっと妙ですね」


 梯子を伝い地下に下りた鬼灯が、周りを丹念に見回しながら独りごちた。


「言うなれば、そう……元々あった地下道に、強引に縦穴をぶち抜いて、繋げてしまったという感じです」

「ああ、そう言われると分かるような気がするな」


 意外にも同意したのは扇間に非ずガルフの方だ。カンテラを床に近づけ、壁と同じ石畳の造りと縦穴のいかにも手彫りらしい造形を見比べながらしきりに頷いている。


「いつから掘ってるか分からんが、地下道を掘り当てたんなら、とっくに目当てのモノも見つけてるかもしれねえな」

「その答えはすぐに分かるでしょう。そう簡単に地下に大きな施設など造れるものではないですから」


 実のところ、そもそもが愛人宅として建築された別邸だ。ご大層な地下施設があるわけないという鬼灯の見方は的を得ているのだが、彼もそこまでの情報を知っての発言ではないため、あくまで“推測”として語られる。

 縦穴の広さに比べて、掘り当てた地下の横穴はさすがに狭く、大人一人が歩ける程度の幅しかない。

 ここでも地上と同じくガルフを先頭に鬼灯、扇間の順で一行は奥へと進み始めた。


「分かれ道か。どっちにする?」

「まずは真っ直ぐで」


 右に折れる道はいかにも“手堀り”と知れる土層が剥き出しになっている粗い造りで、雰囲気的には縦穴と同じ造りに思える。ならばヨーヴァル商会が“咎人”を使って掘らせた新しい横穴と考えられるが、そうした理由が分からない。

 だが、進むべき道に迷うガルフに鬼灯は正規な道を躊躇なく選択する。


「ここで行き止まり?」

「すげえ立派な……」

「――ああ、なるほど」


 さほど歩くことなくすぐに立ち止まることになったのは、行く手を頑丈そうな鉄の扉に阻まれてしまったからだ。

 カンテラの明かりに照らされて、無骨な石造りの地下道には不似合いな彫り細工レリーフの施された扉の威容に、三者三様の感想を洩らす。


「こりゃただの鉄板じゃねえ……扉で間違いねえよな?」

「把手はないけどね」

「なに?」


 扇間の指摘にガルフもあらためて注意深く見直してから「確かにねえな」と扉の開閉には不可欠な部位が見当たらないことにようやく気付く。


「なら、これで行き止まりか? これがお貴族様の“隠し財産”とやらか?」

「そんなはずないでしょう。誰だって価値ある物は大切にしまい込むもの――これは“隠し財産”を守る“扉”であり、同時に“鍵”でもあるのでしょう。ただその前に」


 鬼灯は軽く後ろを振り返って「さっきの横道を確かめておきませんか?」と二人を促す。


「おそらく、この扉を開けられなくて、ヨーヴァル商会は故意に“別の入口”を造ろうとしているのです。大した距離じゃないはずなので、確認してしまいましょう」


 何か話しがある口ぶりだが、その前に整理しておくべきことがあるという鬼灯の提案を否定する理由もないので、一行は来た道を戻ってもう一方の横道を探索することにした。


「はっ、決まりだな。連中はまだ宝を拝んでないらしい」


 先細りとなって途絶えた地下道を目の当たりにして、ガルフがほっと胸を撫で下ろす。

 剥き出しの土壁に整然と立て掛けられたツルハシや円匙スコップ、横穴の崩落を防ぐための補強材として用いられる角材が小分けにして積まれているのも、まだ作業途中であることを窺わせるに十分であった。


「どうする? 戻ってあの扉開けにチャレンジしてみるか?」

「確かにあの奥には興味がありますが」

「どうした?」

「我々の目的をお忘れですか……?」


 諭すような鬼灯の言葉にガルフがむっつりと黙り込む。


「見張りが我らの任務なのに、何者かにまんまと侵入されたかもしれないのです。それに彼女の姿もなく、仲間というのもおこがましいですが、多少は気にされてもよくありませんか? いえ、だからこそ契約違反を承知で同行されたのかと思っていたのですが……」

「……」

「考えてみれば、私たちより近場にいながら、この異常事態にまったく動こうとしていませんでしたね」


 探るような鬼灯の視線に「あん時は、金貨のことが頭にあって……」とガルフは弁解がましく述べながらも、バツが悪そうにそっぽを向く。


「その割に、同行するときの決断や“倉”への侵入、縦穴が隠された扉の鍵の破壊……何の躊躇いもなくやってのけた行動力と齟齬が生じるように思えるのです」

「ちょっと待ってくれ。さっきからあんた、何が云いたいんだ?」

「極めつけは、もはや“宝”にしか眼中にない発言です」

「……」


 ガルフが不自然に押し黙り、表情を拭い去ったその顔がカンテラの明かりのせいかまるで別人に見えてしまう。

 まるで動きによって感情表現をしていた人形が、その動きを止めることによってただの人形・・・・・に戻ってしまったように。

 だとすれば、彼が一体何をやめて・・・・・“素”に戻ったのかは言うまでもない。


「云いたいことはふたつです。ひとつは、ここに入者も彼女もいない・・・・・・・・・ということ」


 鬼灯はあくまで自然体で告げながら、いつの間にかガルフとの間合いを適度にとっていた。


「もうひとつは、貴方が金貨ほしさにこの任務を引き受けたわけではないということ。彼女の失踪・・・・・に何らかの関係がありますね?」

「ずいぶんとひどい言いがかりだが……」


 ひとつの証拠もない鬼灯の糾弾を、だがガルフは軽く肩をすくめて「それなりに合ってる」とあっさり認めた。


「確かに“クレイトン家の宝”が俺たちの目当てだ。どうだ、その鋭いところであの扉を開いちゃくれねえか? 無論、それなりの金は出す」

「ふむ」

「いや、考えちゃダメでしょ」


 検討する素振りを見せる鬼灯に、これまで黙って成り行きを見守っていた扇間が思わず指摘する。だが、意外にも鬼灯は考え深げに熟考の価値ありと返してきた。


「思うに、この件に関しては必ずしもヨーヴァル商会に権利があるとは思えません。川に棲む魚を捕るように、木に実った果実を採るように、土に埋まっていたものは取った人のもの・・・・・・・ではないでしょうか?」

「分かってるじゃねえか!」


 そんな屁理屈をと言いかけた扇間よりも早くガルフが大声で調子を合わせる。


「だいたい宝はクレイトンのものだったんだ。それをヨーヴァルが横取りしようとしてるんだぜ? 結局は“取ったもん勝ち”てことだろうが」

「……確かにそれは言い返せないね」

「だろ?!」


 そこでにやりと笑うガルフに、いつの間にか緊張感も消え失せて、扇間がため息をついたところで互いの商談は決まったといえた。

 まあ実際のところは、宝に対する二人の好奇心が抑えられなかったというのが事実かもしれないが。ただし、残る最大の懸念については、何の見通しも立てることはできなかった。


「女に関しちゃ、何も知らねえぜ」


 ウソ吐く必要はねえとガルフがはっきりと関与を否定することによって。


「常識的に考えて見ろ。女とはいえ、敵がいつ来るかと見張ってる『荒事師』を相手に、わざわざ誘拐を狙う馬鹿がどこにいる? それにさらったところでたかが知れてる・・・・・・・

「宝を狙った方が得だと」

「そういうこった」


 ガルフの云うにも一理ある。実際、これまでの言動で彼が宝を狙っているのは間違いなく、宝を狙うなら、攫った彼女が“お荷物”になるのも間違いない。つまりは“宝捜し”と“誘拐”は別物として捉えるべきということだ。


「悪いが時間がねえ。ここまで潜り込んだ以上は、最後までやり通すしかない。わかるな?」

「ええ」


 ガルフの云うとおり、すでにヨーヴァル商会がこちらの動きに気付いていても不思議じゃない。見つかった時点で即解雇。明日以降の機会がないと分かれば、否やはなかった。


(彼女はどうするの?)

(すでに時が経ちすぎてます。今さらどうともなりません。それに“攫う”なら“殺し”はなしとみてよいでしょう)


 二人の小声でのやりとりは、静まり返った地下道ではよく響いてガルフにもダダ漏れだ。むしろ視線を逸らして懸命に聞こえてないふりをしてくれるのがいじらしく・・・・・もある。

 バレバレな密談を手短にまとめるものの、さすがにガルフが持っていたであろう計画は大幅に狂っているはずなので、決行するにはそれなりの覚悟が必要だ。


「俺の仕事は隙を見て“倉”の内部を調べることだった。その上で、仲間を呼び込む手筈になっていたんだ。まあ、そのチャンスがなくって焦ってたけどよ」

「呼び込むってどうやって?」

「潜り込んでるのは一人じゃねえからな」


 得意げなガルフになるほどと扇間が納得する。だがそうして計画を練り上げることもなく、強行する事態に陥っているのだ。何の安心感も湧きはしない。


「ま、いい踏ん切りがついたと思おうぜ」

「その思い切りの良さは好ましいですね」


 皮肉ともつかぬ鬼灯の言葉を最後に、互いに承諾の意として頷き合い、再びガルフを先頭に先ほどの扉へ逆戻りする。

 まさか誰かを助けるつもりで起こした行動が、見張りの任務を途中放棄して、宝探しに切り替わることになるとは珍妙な道行きもあったものである。

 だが、はじめからそのつもりであったガルフと違って、鬼灯などは実にあっけらかんとしたものである。


「……この展開を違和感なく受け入れてる自分が怖いよ」

「いいのです。“気にしては負け”という教えもあるでしょう?」

「ないから、そんな教え」


 扇間の指摘が虚しく地下道に響いた。


「――それで、何か案は?」


 任せたと身を退くガルフに譲られ、鬼灯が扉の傍へ進み出る。扇間は念のため後方警戒だ。


「この彫り物細工が鍵でしょうね……」


 彫り物細工は11枚の金板に男や女の人物像が掘られた、美術的価値も高そうな精巧な細工物であった。

 すぐにいぶかしんだのは、12枚目があるべきところに金板が外れていることだ。


「誰かが取ったのでしょうか……あれ、これ動きますね」


 簡単に外れるものかと別の金板をいじっていた鬼灯が、強めに力を入れると空いてる位置に金板を滑らせることができた。

 試しに他のもいじってみると、どうやらすべての金板が意図的に横滑りさせられるように造られているらしい。


「これは……」

「それは『12柱神』を描いたものだな」


 鬼灯が思わず洩らした言葉の意味をガルフが勘違いして彫り物細工レリーフに何が描かれているかを語る。


「太陽に感情、創造や破壊……神々をモチーフにしたんだろうが、さすがに冥界は抜いたってわけか」

「創造や破壊……!」


 鬼灯の目の色が変わったのは、矢文にあった一文を思い出したためだ。


 

創造と破壊の姉妹・・・・・・・・が手を取り合い、小鳥が解き放たれるその刻まで――』



 無論、これは偶然の一致ではない。


「“小鳥”が宝としたら……それを解き放つのには“創造と破壊の神々”が手を取り合うように・・・・・・・・・……」

「おい、なにか分かったのか?!」

「し、黙ってて」


 鬼灯は喰い気味に迫るガルフを抑えて、11枚の金板を食い入るように見比べる。それぞれの金板には太陽であったり渦巻きであったり何かの絵柄が必ず一緒に描かれている。

 だが神話だという『12柱神』の物語を知らぬ鬼灯にはどれがどの神を差すかまでは判然としない。


「創造と破壊の神はどれですか?」

「あ?」

「創造と破壊の神を捜してくださいっ」


 鬼灯の妙に緊張し切迫した表情に、ガルフは戸惑いつつも言われたとおりに捜し始める。


「あった!」

「もうひとつは?」

「この鉄槌と刀を持った絵柄だ」


 破壊の象徴と言われる『灰燼の暗き戦槌』と『絆断ちの無情刀』――ふたつの武器を手にする破壊の神をガルフは指差す。


「このふたつを向かい合うように……」


 離れた位置にあるふたつの金板を根気よく滑らせながら、やがて互いに向き合う位置に導けば。


「ふむ。何も起きませんね」

「おい、こんだけ焦らせてそりゃないだろ?」


 試しに扉を押したり滑らせたりしてみようとしたものの、頑健な扉はびくともしない。

 一体何を間違ったのか? 

 甘い顔で神妙に眉をひそませる鬼灯もよほど自信を持っての行動だったのだろう。


「おかしいですね。“手を取り合う”解釈が違うのでしょうか? “創造と破壊の姉妹”まではよいのでしょうが」

「まてっ」

「?」

「創造と破壊は姉妹じゃないぞ・・・・・・・?」


 思わず鬼灯の肩を掴んでガルフが自分の方へ振り向かせた。焦らされたせいか、異様にギラついた目で鬼灯の顔を覗きこみながら。


「創造は女神だが、破壊は男神だ」

「え、ですが」

引っかけ・・・・、だね」


 盲点といえば盲点だ。

 この扉は宗教美術品ではなく、あくまで宝の門番にすぎない。守るべきは正しい宗教的解釈ではなく扉の奥に隠された宝なのである。

 盗人共を目眩ますのに小細工の一つや二つは弄して当然なのだ。

 扇間の言葉で思い込みを捨てたガルフが再び金板のひとつひとつを注視する。そして今度こそ、確信を持った声で「これだ」と告げた。

 先ほどと同じ武器を手にする構成は変わらず、女性らしき衣を纏った人物像に鬼灯達も間違いないと同意を示す。


「……何かふざけてる気がする」

「この際、女装・・だろうが、正解なら何でもいい」


 納得できぬと顔をしかめる扇間の気持ちをガルフは軽く一蹴する。この程度の意地悪な仕掛けこそ貴族らしいと笑いながら。

 果たして、女神同士を向き合わせれば、何かが噛み合う音がして自然と扉が奥へとわずかに開いた。


「――やった!」

「よしっ」

「それではご対面といきますか」


 鬼灯を押し退けるようにして、ガルフが扉に手を掛け力一杯に押し込んでゆく。

 ゆっくりと軋みながら開いてゆく扉に三人は期待の目を向けるのであった。

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