第2話
数日後、また一人殺された。
夜、人気のないところを一人で歩いていて殺されたようだ。二十七歳の主婦だった。
――みんな無用心だわ。
私はそう思った。
それから一週間ほど経ったある日、一人の女子高生が行方不明となった。
その姿を最後に捕らえたのは、コンビニの防犯カメラだった。
夜にコンビニの横の主要幹線道路でないところを入っていく様子が映っていた。
その先はまさに人気のないところだ。
そこで消息を絶ったのだ。
マスコミから警察から両親から近所の人にまで、「危ないから気をつけなさい」と言われている筈なのに(少なくとも私はそうだ)、何故それを守ろうとしないのか。
身の危険を感じないとでも言うのか。
私には理解できなかった。
私の場合、三人目の被害者が出てからというものの、仕事が終わって家までの帰り道、毎日わざわざ遠回りをしている。
最寄りのバス停から実家まで、真っ直ぐに帰ろうとしたなら、山から棒のように突き出した森を横切らなければならない。
もちろん街灯もないし、人気なんて全くない。
それでも昔は毎日そこを通っていた。
そうすると実家まで十分もかからない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます