「洗面台」
洗面台には私が詰まっている。
私のコップ、私の歯ブラシ、石鹸には私の髪の毛が引っ付いていて、鏡には当然みたいな顔をして私が映っている。それは他人の目を通したものでは無い、ただの私という人間だ、コップも歯ブラシも石鹸も鏡も一個人の一端を示す情報に過ぎず、だから私は安心して洗顔をする。
いつか、私の死体は、洗面台下の扉の中に埋めてください。
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