地球人の本能的な楽しみ
地球人は退屈を嫌う生物です。
特にやることが何もないと、暇を持て余してストレスを感じるようです。
打ち込めるものが何もないと、性交ばかりして時間を潰します。生殖活動に専念させたい場合には効果的ですが、あまりオススメはしません。
最近の地球人研究機関の発表では、何か目的を持って生活している方が地球人の寿命が伸びやすいことも報告されました。
飼育している地球人の健康を保つためにも、何か楽しみを与えましょう。
動植物や子どもの世話も地球人にとって生きる目的になります。
容器内でペットや農作物、幼体を育てさせ、その観察や成長を楽しませるのです。
広い容器で飼育できる方は、地球人の餌となる動植物を容器内に放ち、狩猟や採集をさせて生きる目的としましょう。
また、絵画や文章などの芸術も、地球人のエネルギーを発散させます。
地球人は古代から岩や地面に生活風景を描くなど、芸術を楽しんでいたようです。
容器内にも絵画や文章を残せるスペースや道具を用意し、彼らが作り出す芸術を私たちも鑑賞してみましょう。私たちからするとかなり幼稚に感じるかもしれませんが、彼らも一生懸命に創作しています。温かい目で見守りましょうね。
捕捉【地球人の適応できない本能】
原産地の地球人は文明が進歩する前、長い間狩猟や農業で食料を確保してきました。
今でも地球人の遺伝子には当時の生活が刻まれており、古来からの行動がストレス解消にもなるようです。
しかし一方で、地球人はこの遺伝子特性がなかなか抜けないために、原産地での環境で様々な問題を引き起こしています。
例えば――昔、地球人にとって糖分は貴重で入手が困難なものでした。そのため、地球人は本能的・積極的に糖分を摂取しようとします。
しかし、文明の発達で糖分を含む作物を大量生産できるようになり、多くの地球人にとって糖分は貴重ではなくなりました。
一方、本能的に糖分を摂取しようとする地球人の性質は変化していないため、原産地の地球人は必要以上に糖分を取り入れてしまうのです。その結果、糖分過多による病を引き起こします。
私たちも、地球人へ必要以上に餌を与えぬよう気をつけましょう。
また、地球人は自分に危害を与えそうなもの・現象に対する恐怖症を持っています。
ヘビという毒を持つ地球原産の生物や、転落死の原因となる高所へ近づかぬよう体を守るためにこうした本能的な特性があるのです。
ですが、銃や放射能など、文明の発達に伴って出現してきた脅威には恐怖症がほとんどありません。地球人の遺伝子が新しい脅威にまだ適応できてないのです。
私たちの技術・道具に潜む危険を地球人は恐怖症で察知することができません。
体が脆い地球人のためにも、危険は徹底的に排除しましょうね。
地球人の遺伝子・体は融通が利かないのです。
その面倒くささも、地球人飼育の魅力です。
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