第20話
パソコン画面を見た後亮太は冷蔵庫から半分残していたポカリスエットを取り出し、宙を見つめながらごくごくと飲んだ。すっかり飲み終わると500mlの空ボトルを食卓テーブルに置き、代わりに置いていたスマートフォンを手に取り新堂にもらった名刺を取り出してメールを打ち始める。途中何度か手が止まりつつも
「これでいいや」と意を決するように送信した。
一番よく接触するのは学校で会うタロー、そして篠崎先生。この二人とは頑張ってコミュニケーションを取ろうとしなくても自然に会える。幼馴染の「たくちゃん」佐藤巧は隣に住んでいるから多分これも難しくない。では積極的に会わないといけないのは日常で接点すらない「新堂 優」だ。彼と意識的によく会うようにして様子を見ていこう。
亮太はメール送信画面をちらりと見てからスマホをパンツの後ろポケットに入れた。
今日は仕事のようだったからすぐに返信は来ないだろう。
「次どうするかな・・・」
ゲームの攻略者が分かった以上時間を無駄にしたくはない。自宅にいればの話だが、今すぐに会えるのは隣の「たくちゃん」。でもどうやって自然に会えばいいだろう。突然チャイムを押して「遊びに来ました」って小学生じゃあるまいし大体自分はそんなキャラでもない。第一前回一度会って話しただけのまだよく知らない相手と会話が弾むわけもない。TVゲームとか何か一緒にしながらならまだ会話の内容なんてどうでもなるんだけど・・・。
無意識に部屋の中をさ迷っていた亮太の視線は、ある物を見た時にぴたりと止まった。
「あ」
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