Moonrise

四六時中も好きと言ってちゃ

僕らにゃ少し甘すぎるからさ

半日だけをきみに捧ぐよ

半分くらいがちょうどいい


きみの声が、その温度が

きみの吐息が、その色が

僕の肺を苛むんだ深緋こきあけ

僕の名前を呼ばないで


きみが呼ぶ僕は真名まなじゃないのに

きみが呼ぶ僕がになってく


きみは月 水銀色の

毒を以て毒を制す

僕の心臓も水銀色


夜桜 月色に照らされて

千切れほどける命の破片

狂気の象徴 心臓の音

正気の病状 宵の明星


ヘッドホン越しのきみの声

────さぁ、今夜も。



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