Selbstverletzung

万年筆をその手から

すぐに放してくれないか

もうとっくに限界だろ

喉が潰れて泣けもしないくせに


 血溜まりに膝をついて

 君がそれでも手放さない

 その万年筆のきっさきが抉るのは

 君自身の心臓だろ


  自分の手にしたペンの先で

  自分の胸を刺すようなことは

  今すぐやめてほしいんだ

  心臓に万年筆を突き立てる

  ひどくわかりづらい自傷行為を


   君がそれをやめない理由なんて

   簡単で単純で気づいてしまえば

   拍子抜けするようなことだった


    ────僕がそれをやめないからだ



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