墓標

非常に残念なことですが

人類は衰退いたしました

立ち並ぶ摩天楼と

溺れそうな砂漠が

人類さまの叡智とやらに

食い潰された星に残った


生き急ぎすぎたんだみんなが

無理に進まなければもっと

この星は生きながらえたのに


とうの昔に海は燃えた

こんどは砂漠が燃えるのだろう

白々しいほど蒼い空色

いつもどこかで響く雷鳴


それでも 僕が

うたうことを やめないのは

……やめられないのは


足を止めたら死んでしまうから

止まってしまえば動けないから


幾千と言葉を選んだ末に

幾万と散らばる骸の上を

きっと僕らは歩いていくんだ


役にも立たない墓標はかしるべ

名前より 誉れより

この想いを 遺して



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