花火

線香花火が 好き


打ち上げ花火ほどの

華やかさはないけど

静かで 控えめな 真朱まそほ

ひどく あたたかくて


ほかの花火を楽しんだあと

なぜか火を点けたくなる

あの 線香花火のように

わたしは誰かの

"帰る場所"でありたい

華は枯れるしいつかは見飽きる

あなたの 帰る場所に

小さな灯を点して待っていたい


そして

散りぬべきときがきたら

ぽつりと落ちて

消えゆきたい


わたしの余韻はなにいろ?



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