P.F.P. ─特別時間修復隊ファイル─
ぴろ式
Prologue
息が苦しい。
だが別に酸欠とかになってる訳じゃない。いつもの事だ、そうやって自分に言い聞かせる。
『大丈夫かい? 少し呼吸回数が上昇してるようだけど』
左耳につけたインカムから、もう大分聞き慣れた人物の言葉が流れ込んでくる。
「気にすんなよ。少し緊張してんだけど、いつもの事だからさ」
嘘偽りの無い本心だ。緊張こそすれ、怯えてなどいない。
そう思ってたら、隣で立つ少女が肩を叩いてきた。
「足、引っ張らないでよ」
少女がぶっきらぼうに言う。
でも、今の彼女の言葉が本当は、彼女なりの信頼と心配なんだということも、少しずつ分かってきた。
しかし不思議だ。
まさかただの一般人だったはずの自分が、今ではこんな非日常に巻き込まれているのだから。
グローブに包まれた手が、少し震える。
その震えた手を握って、少年は小さく息を吐いた。
ここに至るまでの経緯──それまでの体験を、少年・
切っ掛けは確か──
──いや、そんなもの無いに等しかったか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます