第9話  天命を改める  19

天柱てんちゅう」は「竜座76番星含む5星」。天帝が政令を貼る場所の意。


奇門遁甲きもんとんこう」という二十四節季や干支を組み合わせる、方位の吉凶を占う占術にある「九星」の名の一つでもある。


淮南子えなんじ」の「天文訓」によると、五帝の一人「顓頊せんぎょく」の時代に「共工きょうこうと呼ばれる「人面蛇身」の水神が暴れまわって「天柱」を折ったとされている。これ以後、「天」が「西北」に傾き、中国の河川のすべてが東南方向に流れるようになったとされる。悪神「四罪」の一柱となり、「洪水」の「洪」の字は「共工」の名から採られたとされている。


「経穴(ツボ)」の「天柱」は、肩こり、頭痛、眼精疲労に効果がある。

「天」は頭を指し、「柱」はそれを支える頸椎(首の骨)。後頭部の首筋、髪の生え際中央のくぼみから左右に触れる、太い筋繊維の外側にあるツボ。

「竜の頭」の意ある「γ星」の北にある「星官」なので、「天球の北」を「上」とした時に「竜座」の頭部は「下向き」になるので「首」の位置になる「北極」に近い場所にある。


「天」は、大の字に立った人間の頭の上部の高く平らな部分を「一印」で示したもの。大空の意、宇宙を支配する神の意や、「人間界」に対する「自然界」のすべての意がある。人の脳天の意もある。

「柱」の右部「主」は、燭台の上にじっと立って燃える灯明を描いた象形文字。「木」と組み合わせ、じっと立つ木を意味する。屋根を支える材木の意、家を支える「はしら」のように大事な支えとなる物や人の意、琴の弦を支えて立つこま(ことじ)の意がある。


「90度」離れた場所は「鯨座γ星カファルジドマ」がある所。鯨座頭部にある部分全体の星群に与えられた名。

「180度」離れた場所は、「船首」を破壊された姿で描かれる広大な「アルゴ座」を4つに分けたものの一つ「竜骨座β星ミアプラキドゥス」がある所。

 アラビア語で「水」のである複数形を表す言葉である「Mi'ah」と、ラテン語で「静かな」の意の「Placidus」を合わせたものだとされている。

「船尾像(フィギア・ヘッド)」が描かれる「とも座」より南に位置し、「南極」に近い場所にある。



「御女」は「竜座χ星バテンタバン・ボレアリス含む4星」。天子の食事や寝所に付き添った女官の意。

「御」の右部「卩」は人のひざまずいた姿を描いたもの。中部上「午(きね)」を描いたもの。干支の「うま」に使われるようになってから「木」をつけた「杵」が「きね」の意の文字になる。この二つを組み合わせた文字の意味は、堅いものを杵でついて柔らかくするさまを示す。これに、中部下「止(あし)」と左部「彳(いく)」を組み合わせた「御」は、馬を穏やかにならして行かせることを示す。つきならす意から凸凹や阻害する部分を調整して、うまくおさめる意となる。


「女」は、なよなよした体つきの女性を描いた象形文字。名詞では「おんな」、「むすめ」などの意。代名詞では「汝」同様に「なんじ」、「おまえ」の意。動詞では「めあわす」、「嫁にやる」、「とつがせる」意がある。


「90度」離れた場所は「横になった女性」の姿描かれる「乙女座」のある所。「冥界」に嫁がされた娘「ペルセポネ」であるともいわれる星座。

 別の「90度」離れた場所は「均衡」、「バランス」想起させる、「天秤座」のある所。



「女史」は「竜座34番星」。 妃の教養や礼法について担当した女官、記録など文書の事務をする女官の意。

「史」は「中(竹札を入れる筒)+手」で記録を記した竹札を筒に入れて立てている記録役の姿を示した文字。特定の役目をあずかる意を含む。


「90度」離れた場所は「蠍座」のある所。「地母神ガイア」の眷属で、「オリオン」に差し向けた「サソリ」の伝承がある星座。

「七夕」の星々が天頂で輝き、仰ぎ見る夏。宵に、窓を開けて見るぐらいの視線の場所で、気軽に観測できる星座でもある。

 別の「90度」離れた場所は「蟹座」がある所。天の女主人「ヘラ」の眷属で、「ヘラクレス」に差し向けたとされる「カニ」の伝承がある星座。



柱史ちゅうし」は「竜座φ星」。検閲官の意。宮殿の柱の下に立っていた為この名が付いた。「道教」の祖「老子」を指す言葉としても使われる。「老子」は「偉大な人物」を意味する尊称であると考えられている。

「老子」が神格化され、「太上老君たいじょうろうくん」や「太清大帝たいせいたいてい」のどの名を持つ。「カラス」のような口をして、耳の長さが七寸(一寸約3.03センチ)あり、額に縦筋が三本あったとされる。「道(タオ)」を司り、「剣と鏡」を神器とする。

「天柱」は「共工」に壊されて「北西」に傾いた。北極星が「小熊座コカブ」だった時代を起点にして考える。

「コカブ」を「北(子)」に置く。東方を守護する「青龍」の身体の真ん中あたり「胸部」であるとされる「天秤座」のある場所を「東(卯)」に置く。このように配置すると「西(酉)」の位置に「牡牛座」が置かれる。

「道教」の神が多数登場する「西遊記」の主人公は「孫悟空」である。彼は、「筋斗雲」に乗る「猿」で、「牛魔王」などとの戦うエピソードを持つ。

「南西(未申)」、雲のようなヒツジに乗るサルの位置にある「オリオン座」は「牡牛座」と戦っているような絵図なので、この辺りを「西」としてもよいだろう。

 この時「北西」の場所にある星座は、「剣」を持つ「ペルセウス座」となる。この星座を「北」に置き「天柱」が傾く前を再現すると、「南北」を貫く形で「天の川」が配置される。これを「柱」と見立てたのではないかと思われる。「道」の字が「辵(足の動作)」に「首」を組み合わせた文字である事と、「メデューサの首(変光星アルゴル)」を持つ事とにも繋がりを感じる。


「90度」離れた場所は「オリオンの頭部」がある所。「天の川」のそばに立つ星座で、「三ツ星」を有する星座でもある。

 別の「90度」離れた場所は「蛇使い座」がある所。「天の川」のそばに立つ星座で、「蛇座(頭・尾)」を切り離し「3つ」に分けられた星座である。古代の書物は「巻物」にして保存されたものもある。



尚書しょうしょ」は「竜座27番星含む5星」。竜の尾の窪みの大きい部分にある。天子に意見・事情等の上奏を取り扱う官の意。

「尚」の字は「向(まど)+八(わかれる)」で、空気抜きの窓から空気が上に立ち上がって分散することを示す。上、上に上がるの意を含む。また、上に持ち上げる意から崇める、尊ぶ、身分以上の願いなどの意を派生し、「また、その上になお」の意を含む副詞となる。

「書」は「聿(ふで)+者」でひと所に定着させる意を含む。筆で字を書きつけて、紙や木簡に定着させること。


「90度」離れた場所は「魚座」がある所。二方向に分かれた双魚のうち「北」をむいている方の魚が描かれている場所。窓のように四角い形した「秋の四辺形」のそばにある。

 別の「90度」離れた場所は「海蛇座」がある所。海蛇の尾の大きく窪んだ場所。

「四角」を形成する「烏座」が「コップ座の水」が飲めない位置に定着させられた場所の辺りである。



「天床」は「小熊座6番星含む6星」。天子の寝所、ベッドの意。

「床」は「广(家)+木」で、木で作った家の台や家具を表す。もと、細長い板を並べて張ったベッドや細長い板の台の事。家の中の地面より高くして板を張ったところ「ゆか」の意、寝台、腰掛の意。


「90度」離れた場所は「鯨座の頭部」描かれる場所。「天の赤道(地平線)」のそばにあり、頭の上には「アメン神」や「主神ゼウス」の化身とされる「牡羊座」が乗っている。

 別の「90度」離れた場所は「海蛇座の頭部」描かれる場所。「天の赤道(地平線)」が通っている部分。この上(北)には「ロイヤルスター」と呼ばれる「獅子座レグルス」がある。



「大理」は「竜座にある星2星」。詳しい星は不明。追捕、糾弾、裁判などを司る官の意。

「大」は人間が手足を広げて大の字に立った姿を描いた象形文字。

「理」の右部「里」は「田+土」で筋目を付けた土地の意。「理」は「玉+里」で、宝石の表面に透けて見える筋目の意。動詞としては筋目を付ける意。物事の筋道、ことわり。訴訟を聞いて筋道を正し良し悪しを整理する、処理するなどの意で使われる文字。

「竜座18番星」が含まれていると仮定する。真直ぐ北上すると、現在の北極星「ポラリス」に突き当たる。「筋目」の意味になるのではないかと思われる。

「90度」離れた場所は「蠍座」のある所。昼夜が等しい「秋分点」が「天秤座」にあった時代、「正義の女神の天秤」であり、「サソリの皿」でもあったから。

 別の「90度」離れた場所は「牡羊座」のある所。昼夜が等しい「春分点」があった場所。コルキス王「アイエテス」が、昼夜、眠る事のない竜を番人につけたとされる「金毛の羊」が星座になったものという伝承がある。



「陰徳」は「竜座と小熊座にある2星」。詳しい星は不明。地の徳、転じて女性の守るべき道徳の意(婦徳)。人に知られぬ善行、隠れた功績の意もある。

「儒教の四行」の一つ。「婦徳」は三従の徳(幼は父に、長じては夫に、老いては子に従う)。「婦言」は女性の言葉遣い、「婦容」は身だしなみや立ち居振る舞い、「婦功」は技芸や教養の意。

「陰」の原字は「云(くも)+今(含・とじこもる)」の会意形声文字で、湿気がこもってうっとおしい事。土を積み重ねた意の象形文字「阜」と組み合わせ、陽(日の当たる丘)の反対、陰地のこと。中に閉じ込めて塞ぐ意を含む。

「徳」の原字は「心+直」の「悳」で、もとは本性のままの素直な心の意。「徳」は十字路の左半分を描いたもので、行進や道路を表す記号として使われる「彳」を加え素直な本性、良心に基づく行いを示したもの。

「直」は「|(縦線、まっすぐの意)+目」で真直ぐ目を向ける事を示す。


「陰徳」は「●」で記されているので「経穴(ツボ)」の意味もある。

陰陵泉いんりょうせん」は、足の内くるぶしから骨の内側を真上に辿っていくとひざ下で指が止まる、くぼんだ所のツボ。水はけを良くする湿気取りのツボ。

三陰交さんいんこう」は「肝」、「脾」、「腎」の三つの陰の経絡が通っている。ふくらはぎの内側、内くるぶしの上にあるツボ。冷え性、生理痛、月経不順、更年期障害などに効果がある。

陰交いんこう」は、おへそから親指一本分下に位置するツボ。下腹部の冷え改善や子宮、排卵の調子を整える。生理痛、生理不順の改善にも効果があるとされる。

至陰しいん」は、「足の太陽膀胱経の気」が終わる所で、「足の少陰腎経」と気が交わる極点。陽気が尽き、陰気が生まれる場所。足の小指の外側、爪甲根部にあるツボ。足先、腰、背中の冷え改善、冷えからくる膀胱炎の予防に効果あり。


「90度」離れた場所は「乙女座ι星シュルマ」がある所。「引きずる」という意味で、衣の裾がある辺り。「ドレスの裾を踏んで歩くのは淑女失格」そのように戒められている気がする。

 別の「90度」離れた場所は「魚座χ星」がある所。北にある魚の尾の辺り。「北極星」が「小熊座β星コカブ」だった時代に「天の赤道」と「黄道」が交わる部分に近い場所。「春分点」もこの辺りだった。

「天の赤道」は「白道(月の軌道)」でもあるので、「月=陰」に至る場所の意で「至陰」という経穴名と符合し、「三陰交」、「陰交」とも符合する。



「六甲」は「ケフェウス座とキリン座にある星6星」。詳しい星は不明。官の意味不明。

「四輔」の下に記されている。古代ギリシャ語の「小さな星」の意の言葉に由来する「アスタリスク」の形をしている。

「六」は覆いをした穴を描いた象形文字。数詞の6に当てたのは仮借。一説に高い土盛りの形で、「陸(高い丘)」の異体字であるとされる。証文契約書で改ざんを防ぐため「陸」と書かれる。

「甲」はうろこを描いた象形文字。金文からのちは、種を取り巻いた硬い殻を描いた象形文字。


「90度」離れた場所は「こうま座」がある所。のち、「南十字座」が制定されるまで、「一番小さい星座」であった。「〇と線」で記すものは「六分儀」に見えなくもない星座である。

 別の「90度」離れた場所は「海蛇座のМの部分(α星とコップ座の間)」がある所。のち、「六分儀座」が北側に制定される。

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