聖少女

その昔…遥か昔…独りの乙女の涙。


止まること 知らぬまま 朽ち果てたそうな。


誰も皆 彼も皆


架け替えのない 祈りも 知らぬままで。


争い絶えぬこの世界に


背負いし犠牲に止まらぬ運命…


乙女の嘆きは 鳥のさえずりとなり…消えて逝く。


創造主かみに 縋ることは赦されず


ただ独り そう独りで


その手を黒く染め上げる…


決して穢れる事の無い その白き御霊みたまに…


不釣り合いに ぶら下がる。


例えそれが運命で


壊れて逝くだけの物語でも


彼女はきっと 聖少女になるのだろう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る