やっちまった!その2
「ゲラッゲラッゲラッゲラッ…何だよゲラゲラって!笑いじゃねーんだからよ、キャハハハハハ!」
シーーーーーーン
デザイアーの変貌ぶりにオレたちは何も突っ込めない。
「おい、吉田~っ!」
「は、はいっ?」
「お前、いっつも変なアニメばっか観て、生身の女に興味ねぇのかよ、おいっ!」
デザイアーはいきなり謙司に突っかかってきた。
「…いや、その。別に変なアニメじゃないし…」
「はぁ~?聞こえねぇぞ、おいっ!
あらし(あたし)みたいに生身の女に興味無いのか、このオタクヤローが!」
何だかスゲータチの悪い酔っぱらいオヤジみたいにクダまいてるぞ、デザイアー!
「うぅ…す、すいません」
「すいまへーん、で済んだらケーサツいらないんらぞ~っ!(いらないんだぞ!)」
ダメだ、完全に制御不能になってる。
「おい、牛島ぁ~っ!」
「次オレかよ?」
泰彦にも何か一言物申したいらしい。
「おまぁ、サッカーだけ出来るけろ、サッカー出来なかったら、ただのバカじゃ~ん、キャハハハハハ!」
プッwww的を得てるだけに笑いを堪えるのが精一杯だw
「…オレ、サッカーしか脳がないバカに見られてるのか…」
泰彦も謙司同様酷く落ち込んでいた。
「おい、龍也ぁ~っ!」
次は龍也かよ!
「何だよさっきから絡んできやがって!お前は少しおとなしくしてろ、この酔っぱらいが!」
…ていうか、デザイアーに酒飲んでみろって言ったのお前だろ…
「この、バカぁ~!何で頭悪いクセに意気がってんだ、なぁ、おい!」
あちゃぁ、龍也には直球で絡んできたぞ!
「…おいコラ!テメーにゃ言われたくねぇんだよ、普段いるのかいないのか目立たない女のクセに!
大体お前、人と話すの苦手だろ?何考えてんだか、全く分かんねえ目立たない暗いヤツのクセに!」
龍也はカチンときて、普段思ってる事をデザイアーに捲し立てた。
「なんらと?(何だと?)お前なんかこうしてやる~っ!」
デザイアーはショートケーキのクリームを掴み、龍也の顔めがけて投げつけた。
「テメー!人ん家汚す気か!おい、コイツぶん殴ってもいいよな?女とはいえ、ここまで言われて黙っちゃいねーんだよ!」
デザイアーに突っかかろうとしたのをオレたちが必死に止めた。
「止めろ龍也!相手は単なる酔っぱらいだ!相手にするな!」
オレは龍也を羽交い締めにして押さえつけた。
「あぁ~、腹立つ!こうなりゃ皆で飲みまくろうぜ!」
龍也が缶ビールを一気に飲み干し、自棄になっていた。
あ~あ、せっかくのクリスマスパーティーなのに、デザイアーのせいで…
「最後に山本!お前が一番悪いんらろ!(悪いんだぞ!」
オレにも文句あるのか、デザイアー!
「…大体お前はいつもいつも…うっ、気持ち悪いっ…」
「わぁ~、バカ!ここで吐くな!
誰かデザイアーをトイレか洗面所へ連れて…うわっ、汚ぇ~っ!」
…デザイアーはその場でゲロゲロってしてしまった…
もうせっかくのケーキやチキンが台無しだ…
オレたちは部屋を綺麗に掃除して、ケーキやチキンはゴミ箱行きとなった。
そしてデザイアーは龍也のベッドに寝かしつけた。
「こりゃ最悪なクリスマスパーティーだな…」
謙司がボソッと呟いた。
「もう、こうなったら飲もう!飲んで飲んで、飲みまくろうぜ!」
泰彦が缶ビールをイッキ飲みした。
「スゲーな泰彦!酒飲めるのか?」
あまりの飲みっぷりにチャッピーも負けじとイッキ飲みした。
「二人ともスゲーな!」
それにつられるかのように謙司もイッキ飲みし、龍也もイッキ飲みした。
オレは会社の飲み会でかなり鍛えられたから、ちょっとやそっとじゃ酔い潰れないが、皆に続いてイッキ飲みした。
かくして、クリスマスパーティーはビールのイッキ飲み大会と化して、数時間後には、皆酔い潰れた。
だが、このクリスマスパーティーの内容が他の連中にも知れ渡り、三学期早々オレたちは会議室に呼ばれるのであった。
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