鉢植えの花たち

競争することに飼い馴らされた私たちは

人と競争して勝って初めて自分を認めることができるように

作られていた

皆平等であることが人としての権利だ

なんて言いながら

本当は平等を望まない多くの人々によって

私たちは振り回されていた

負けて最後に勝たなければ呆れられる

私たちは小さな鉢植えの中で隣の鉢植えと戦っていた

勝って、自分を認めたかった

上手く咲くことが出来なければ

捨てられる

自分を認めることが出来ない

そんな世界から抜け出すために

私たちは種を風に乗せて飛ばした

私たちの分身、未来が

遠くで鉢植えで花を咲かせることがないように

そして、いづれ私たちも鉢植えから抜け出すだろう

目指すところはエベレストに咲く

高山植物になること


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