窮屈そうな虹

虹を見たんだと、ひとまわり年下の彼は悲しそうに言った。


「君にも見せたかったんだけど、屋上に着いた頃には消えちゃってた。こんなのしか撮れなかった」とおずおずと見せてくれたのは、ビルの合間にほんの僅かに見える虹。


「それが君の見た景色なら、そっちの方が嬉しいよ」と抱きしめた。

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