no title

KOU

青 と 黄


特になにも変わらない帰り道、

特になにを見るでもなく、

ただ、ぼんやりと、

電車の窓から外を眺め帰宅する


見える青い山とは反対に最近はとても寒い、

Tシャツを脱いだと思ったらもうコートだ

見える真っ青の中に1つ、黄色い木

山の中でなく、麓の道に生えてるようだ




特になにも変わらない帰り道、

ただ、ぼんやりと、その黄色い木を、

目で追う自分を不思議に思う

ただのイチョウの木だろうに


耳からは今まで聞いたことのない曲、

マックルモア&ライアンルイス

Same Love feat.メアリー・ランバート

全て英語、なにを言ってるかはさっぱりだ

しかし、どこか哀愁漂う音楽、

失恋をしたわけでもないのに

感慨深くその音楽に浸りその木を見送った




特になにも変わらない帰り道、

ただ、ぼんやりと、その黄色い木を、

目で追った自分を不思議に思う

こんな音楽も、いつもは聞かないというのに


久しぶりに外を見ながら駅に着いた、

いつもなら、画面に夢中で、

気付かぬうちに通り過ぎる駅だ


「 ーー駅、ーー駅です 」


ああ、なるほど、あいつの 故郷 か、




特になにも変わらない帰り道、

特になにを見るでもなく、

ただ、ぼんやりと、

電車の窓から外を眺め帰宅する

はずだった


まさか、あの顔を思い出すとは、

不思議と黄色い木を探す自分がいる

この時期に 青 は似合わない




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