僕はいつも『独り』だった。

壱闇 噤

『独白』

「僕はいつも傷つく事しか言わない。」

『僕はいつも傷つく事しか言えない。』


「僕はいつも何も言わない。」

『僕はいつも何も言えない。』


「僕はいつも笑わない。」

『僕はいつも笑えない。』


「誰か声に気づいて。」

『誰も声に気付かないで。』


「誰も傷つけない。」

『一番傷付けてるのはいつも僕。』


「大丈夫だから心配しないで。」

『心配させないようにするから大丈夫。』


「何も考えてないよ。」

『考えてたって傷付けるから言わないよ。』


「君は笑顔がとても似合う。」

『君の笑顔を崩す事はしたくない。』


「泣いて良いよ。」

『君に涙は見せたくない。』


「一緒に居よう。」

『傷つく事しか言えない僕と居て楽しい?』


「寂しくなんて無いよ。」

『寂しくても言わないよ。』


「僕は『独り』が好きだから。」

『傷付けるくらいなら「独り」が良い。』


「死なないよ、痛いだろ。」

『もう死んでるんだよ、僕の心が。』


「傷付いてなんかいないよ?」

『いつも傷だらけでボロボロなんだよ。』


「大丈夫だから安心して?」

『心配させるから言わないでおこう。』


「楽しいよ?」

『笑顔の僕はいつも。』









「『醜い僕でごめんなさい。』」

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