第30話 俺は……俺が選ぶとしたら……

『好き』

 辞書によれば『心がひかれること』とある。

 深く考えたことはないが校則で恋愛を決められている今、それを避けては通れない。

「……」

 昼のましらの言葉がどうしても頭から離れない。

 かえでみなとと違って猿だけは現実を見ている。

「俺は……俺が選ぶとしたら……」

 眠気によってそれ以上の言葉はなかった。

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