朝顔

朝顔はきっと

月を見ることがない


顔を上げた時には

もう月はいない


顔を覆った頃には

頭上高く輝いているのに


あぁ

きっとそのひんやりとした美しさを

見ることなく

地に落ちて

朽ちていく


あぁ

会えないまま

さようなら


今夜はもう

顔を覆う力もなく

ただ

うなだれた


水溜まりに

月が

いた


さいごに

やっと

月は

やっぱり

綺麗だった

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