第9話 退屈

いつもと変わらぬ光景

これまで歩んできた道を

これからも歩もうとしている

世界を切り取るかのように

誰かが配置した街灯が

街並みを照らしている

まるでそこだけを

存在させているかのように

あとは暗闇


ふり返れば

これまで何をしてきたのか

わからない

いつもこんな調子だった

どこをとってみても

金太郎飴のように

同じ光景が浮かぶ

石ころでさえ

昨日と同じ場所にあるとは限らないのに

そこに価値はあるのか?

そんなことはわからない

今日も雨音に

耳を澄ませた



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る