第6話枯れた木

「僕の出番だね。さぁおいで、 死者共よ!」

その言葉と同時に男の後ろから黒い集団が何十、いや何百人いるだろうか、死者と呼ばれる奴らが姿を次々に現していく。

戦いの半ば、もう一つの勢力が割って入ることにより世界が滅んでしまう程の戦いが繰り広げられるに違いなかった。

「僕らの事は、ジョーカーと呼んでもらおうか。

地獄より舞い降りた黒き力、それが僕ら死者。」

そう言うと戦場は一瞬時が止まったかのように動作が止まった。


だが次の瞬間すぐさま動いたのはホムンクルスだった。

本体が現れ長く伸びる黒ずんだ手は周りに飛ぶ竜や騎士を次々に体内に放り込んでいく。

するとホムンクルスの体は巨大化し、全長は30mを超えた。

みるみる大きくなっていくホムンクルスを前にジョーカー、帝国軍は怯まず攻撃を仕掛け続けた。

魔法を繰り出したり物理攻撃を与え怯ませようとしたり、もう手数は出し尽くした。

動ける兵士はいなかったが、ジョーカーはホムンクルスにダメージを与え続けた。

アルは不思議に思った。

何故急にリームは死者「ジョーカー 」を名乗ったのだろう、何故僕らではなくホムンクルスを狙ったのだろうと。

でもそれはすぐ出た。


「僕は君と友達になった。大樹を守れる可能性を持つ友達と巡り会えた!それは僕にとってこの世界を救ってくれる英雄だと思えたのだから!」

そう口にするリームは攻撃を緩めず、むしろ勢いを増しホムンクルスの再生力を上回るスピードで翻弄した。

誰もがいけると確信したその時、ホムンクルスの体は光り輝き黒から白に、白から赤に変わっていった。

何が起きているのか誰も分からず静止した。

するとホムンクルスは動いた。


自爆を選んだのだ。

全長30mを超えた巨体が今まさに爆発したのだ。

その爆発により地面は割れ、永久樹木の幹に変化があった。


「ミシ,ミシミシ」

誰もがその光景を見逃すことは無かった。


永久樹木が枯れた

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