第2部 第14話③「キングスライムキャッスル第二階層 その①」
5
約200段の階段を上り、二階へと到着する。
するとそこには、先程の一階と同じような光景が広がっていた。
……しかし、少しだけ違うところがあった。
入口と、階段のある方向が逆で、一階でキングスライムがいた通路には石が敷き詰められ、更には一階では階段があったはずの場所に、なぜか、大きな岩もめり込んでいるのだ。
あれじゃあ岩が邪魔で、三階に行けないじゃないか!
……まあ、一旦その事は置いといて。
キングスライムはどこに居るんだろう。
一階で出てきた通路には石が敷き詰められているし、そこから出てくることはないだろう。
つまり、他の場所に潜んでいる可能性が高い訳だ。
僕は周りを見渡し、その他の一階と異なる場所がないか確認する。
とくに、異常は無いのかな?
……ん? あんな所に宝箱なんてあったっけ?
部屋の隅に、宝箱が3つ置いてある。
……あからさまに怪しいその箱に、僕は近付いた。
そして、手前の箱を開ける――……。
「ほら、やっぱりな。」
その中には、黄緑色……というよりはライムグリーン色のキングスライムが凝縮されて、入っていた。
6
一階のキングスライムは……。
たしか、少し濃いめの水色だったはず。
これがライムグリーン色だということは、何かしらあのスライムとは異なる性質があるのではないだろうか。
……僕たちはとりあえず、後ろに下がり、戦闘配置についた。
キングスライムはノロノロ、ゆっくりと、音を立てずに、宝箱から這い上がってきて……。
ベチャッと音を立てて、床に落ちる。
そして外に出終わると――……。
ボンッ! という効果音を付けた方が分かりやすいだろうか。
一瞬でその凝縮されていた体は膨張した。
「全員……。攻撃開始ーーっ!」
僕のそんな声で、キングスライムとの戦いは始まった。
HPは前のと同じく100000以上。
僕たちはキングスライムに向かって一方的に攻撃をし始めた。
だが向こうからは一切攻撃してくる気配がない。
……っていうか結衣奈の攻撃当たってんのか?
そして、キングスライムのHPが、60000前後になったとき。
キングスライムは、大きく息を吸い上げ……。
「また、あの攻撃か。」
一階のキングスライムのようにまた、体液を吐いた。
僕はそれを、何気なくかわした。
すると。
「シュー。」
なんだか後ろから音がする。
僕は気になって振り向いた。
僕は驚いた。
何故かって?
だって、壁の体液の当たった部分だけが、円い穴が開いて、溶けて無くなってたんだから。
……それはともかく、この状況、一体どうしよう。
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