第3部 第6話「"緑"の大蛇との対峙」
はい。まず始めに。
今回のクエスト、「リュレスタ討没」は、まあ、その名の通り、リュレスタというモンスターを討没するクエストだ。
ちなみに、リュレスタは毒持ちで、単体攻撃、全体攻撃の両方の攻撃が出来る大蛇のモンスターだ。
移動速度はとても速く、討没した人もあまりいなく、ほとんどが倒されて帰ってくるらしい。
このクエストを選んだ理由は1つ。
メイアンたちが「走るのが得意」……と言っていたからだ。
なんなら、一つ試してみようじゃないかと、このクエストを選んだ。
ま、とりあえず今回のクエストの説明は終わり。
じゃあ、ストーリーを始めようか。
1
「……よし。ここだ。」
その日の午後。
僕たちはある場所に居た。
それはこの前、逃走中に逆走してしまい、来れなかった場所。
「森」である。
森に入り、うっそうと茂った草花をある程度切り裂き、道を作る。
「じゃあ今回は、メイアンたちが前、僕たちは少し離れた場所で行動する。」
僕はそう言った。
「分かったわ。」
「おーけー。」
「分かりました。」
「わかったよ。」
主に元の四人がそう返した。
メイアンたちは、そんな僕たちの様子を伺いながらも、前へ、ひたすら前へと進む。
「うー。」
しばらく歩くと、そんな呻き声が聞こえ、前にいるメイアンたちが動きを止めた。
「待って。何かいる。」
メイアンは僕たちの前に手を差し出し、そう言った。
「加賀谷くんさん。今回のクエストで倒すのは何でしたっけ?」
メイアンは僕にそう聞いた。
……ってか、加賀谷くんさんって……。
「大蛇だが、どうした?」
「……いえ。……突入します。」
メイアンは、そう言って妹たちと共に走り出した。
……確かに、走りは僕よりも良いな。
「~~~~~!」
リュレスタが言葉で表せないような声を上げたので、僕たちは耳を塞いだ。
耳を塞いでもなお、鼓膜が破れてしまいそうだ。
ってかもう、破れてんじゃね。
メイアンたちは大丈夫だろうか。
「……なっ!」
何!?
なんなのあいつら。
この状況下で、普通に戦ってるんだけど!?
……やがてリュレスタの声は止まった。
すごい。まだ耳がキーンってする。
ものすごい耳鳴り。
おっと。そんなことよりメイアンたちは。
「……っ!」
いつの間にか倒れてる!?
やばい、どうしよう。
「希里花さん! リロードを!」
「え? なに? いますごい耳鳴りで聞こえないの。」
……そうか。
「イリシア! なんか分からないか!?」
「すみません! 何か言いました?今耳栓外します!」
お前そんなの持ってたのかよ!
「あ、はい。たしか、リュレスタの声には、毒性が含まれているらしいです。」
なんだよそれ! どこのマンドレイクだよ!
「でも、毒性、か。あれ? そんなの解ける魔法使いって、このパーティーにいたっけ?」
……。
「いねええええええええええええ!」
僕はそう叫んだ。
「あーあ。そろそろ私の出番のようですね。」
すると、そんな声が聞こえた。
空中に見覚えのある魔方陣が浮かび、そこから何かが降りてくる。
そして、降り終わった途端、彼女は言った。
「今は私が助けてあげます。でも、一つだけ頼みがあります。この戦いが終わったら、また面白い
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